Muv-Luv A Lost Human ~消えたはずの男~
第2話 梅雨の佐渡島
2001.4.16
横浜基地副司令室
「佐渡島を落とす?」
ウォルムスからの提案に驚く香月。
「全く、ベットで仕事の話なんてしないでよ・・・」
実はこの二人、事後だったのである。
「すまない。今思い出したのでな」
「・・・分かったわよ。で、なんで?」
「ああ。あそこを落とせば日本はともかく東亜戦線の建て直しが図れる。それに・・・」
「それに?」
「・・・帝国軍が篁大尉を通して私にしつこく言ってくるのだ。全く、私を何だと思っているのだ?」
はぁ、とため息をつくウォルムス。
「分かったわ。A-01と・・・」
「B分隊も貸してくれ」
「!?あの子達はまだ訓練生よ!?わざわざ死にに行かせなくとも・・・」
ウォルムスの提案に驚く香月。
「面倒は私が見る。一人たりとも死なせはしないさ」
「・・・分かったわ。作戦予定日は梅雨時ぐらいかしらね」
「すまない、夕呼」
「その代わり・・・今日は寝かせないわよ♪」
「全く・・・副司令は無理難題をおっしゃる・・・」
何だかんだで相手をしたウォルムスであった・・・
2001.4.25
MSハンガーには新たなMSが搬入されていた。
「トゥワイス少佐。ご注文の品、しかと届けました」
「ご苦労だった、篁大尉」
「はっ!」
搬入されたのはMS-14A、量産型ゲルググ。
スペックは実にドムⅡを凌ぐ性能を持つ現在、国連軍や帝国軍で次期主力機になることが内定している機体である。
「・・・ところで報酬なのですが・・・・・」
「はぁ、わかっているさ。しかし、君も物好きなものだ」
そういい、唯依に近づくウォルムス。
「・・・後から私の部屋に来たまえ」
「はい、ありがとうございます。少佐」
「では、また後で・・・・・」
そう言い残し、自室へと帰るウォルムス。
「(トゥワイス少佐・・・・・)」