Muv-Luv A Lost Human ~消えたはずの男~
戦いが始まった。
他のMS隊は匍匐飛行で突撃するのに対し、ウォルムスだけ
「この程度の砲撃・・・当たらなければどうということはない!」
自由落下のスピードに加え、追加ブースターを使って大気圏外から突入しつつ佐渡島ハイヴに突撃していた。
彼の目的はただひとつ。
光線級の目を引き付け、囮となること。
この間に地上部隊が光線級を根絶やしにする作戦である。
「・・・うまくいってくれよ?」
正直、そこまでA-01とB分隊などからなるMS部隊に期待していないウォルムスであったが、これくらいはやってもらわねば、という気持ちがあった。
「(・・・死んでもらっては困るからな)」
そして、上官としての情も入っていた。
何しろ、このA-01とB分隊の女性群の大半は抱いたことがあったからだ。
まぁその内容は後程語るとして。
「・・・行け!ファンネル!」
落下しつつ、ファンネルを射出するウォルムス。
「・・・そこだっ!!!」
ファンネルを巧みに使い、一気に殲滅する。
あっという間に主坑道への道が開けた。
「よし、私が突撃する!MS部隊は地表のBETAを駆逐しろ!
『了解!!!』
指示を出し、単機で突撃するウォルムス。
その彼の姿を衛星低軌道上のザンジバルから見つめる香月。
「・・・ウォルムス・・・あなたの作戦は完璧よ・・・・・」
なぜMS隊を地表に残したか?
それはハイヴの反応炉を破壊したらBETAは他のハイヴに逃げる習性がある。
主坑道から出てくるのでそこに集中砲火を浴びせれば、一気に殲滅できるからである。
そうすれぱ、他のハイヴの戦力が増えないし、現在がら空き状態の日本本土も危機にならない。
しかも、ハイヴ内に突撃しても狭く、暗い坑道である。
その中に多数のMSが突撃したところで進み辛くなるだけだからだ。
だからこそウォルムスの作戦はさいようされたのである。