東方南十字星 the SouthernCross Wars六
「魔理沙だぜ。その、オオサカジン・・・・?よくわかんねぇが、お前・・・・相当強いらしいな」
「ああ。大阪人は無敵や。ちょっとやそっとじゃ倒れへんで?」
「じゃ・・・・・・・・・」
して魔理沙は、そのペンダント?をオレに向けいきなり・・・・・・・・・・・・・
「恋符『マスタースパーク』!!」
ヒュィィィィィィ――――――――――――
ギィィィィィィィン!!!
突然光が集まりだしたと思ったら、青白に光る随分とぶっといビームを撃ってきおった・・・・・・・・・・・・・てハァ!?
「ウォォッとあぶ!」
すかさずブースターの出力を上げて真上に避ける。
「ちょ、いきなり必殺級の技使うってアリか!?」
「弾幕は火力だぜ!それにオオサカジンとやらはこれくらいでもうビビリだすのか!?」
んだと!?この野郎・・・・・!!
その後もなにやら星の形した弾幕やら、さっきのレーザーのもっと細いやつやら爆発するもんやら
いろんなもん撃ってきおる。
避けに避けを重ね、オレもいい加減仕掛けることにした。
まず持ってたガトリング砲を同時に撃つ。そして士気を上げるため一声叫ぶ。
「大阪人の実力を見せてやらぁ!!」
ズダダダダダダ!!
威力はもちろん、そこそこ広がり弾速も速い弾薬は、本体から薬莢を吐き出しつつゆる~い放物線を描き魔理沙に殺到する。
いきなりの反撃にUターンしてジグザグ飛行で避けられる。なら・・・・・
ガトリング砲を腰に引っかけ、
「これでも食らいや!!」
そして飛行ユニットに取り付けておいたゴリアス―2Rとボルケーノ6Wをそれぞれの手に構え、撃つ。
ドン!
ドドドドン!
弾速の早く連射に優れ精度の高いロケット弾と、弾速は遅いが拡散性と威力を重視したロケット弾を同時に発射。これは避けずらいやろ。なによりオレの装備はみんな大阪製や。
大阪人の物はなにからなにまで完璧。東京のモンなんかとは比べ物にならん。
開発部に無理言って「MIDE IN OSAKA」のマークつけてもろうて正解やったな。ヤツら、勝手に人の手柄を横取りしようとするかんのう。(注意:あくまで彼にとってはです。実際にはどこもしてません)
と、着弾したな。そんで弾切れか。
ズゴゴゴゴゴ――――――ン!!
ドドガ―――――ン!!
え~と、予備の弾どこに仕舞ったっけか?
目の前が発射後の真黒の黒煙に視界をふさがれてるなか、ありとあらゆる入れ物にポケットに手を突っ込んでも・・・・・・・・・やっぱりない。
とまあ、後でいくらでも探すとして、まずは一本!オレの勝ち―――――――――
「『ファイナルスパーク』!!」
「てぬぉぉぉぉぉ!!?」
やっば!!すぐにユニットを―――――――――――――
―――Side out―――
その光線は、渦を巻きながら更に太い光線となり、上から覆いかぶさるように一人の男を包んだ。
辺り一面に閃光と衝撃が走り更地と化し、地面が抉れた。
ようやく塵や煙が晴れたところで、吉本の姿を探す。
「よ・・・・・吉本さん!?」
「な・・・・・・!?」
「え、マジ・・・・かよ・・・・・!?」
そこにはいた筈の男の姿が無い。
「まさか・・・・!あの女・・・・!」
岡島が恨めしげにいまだに飛んでいる魔理沙をにらみつける。
だが、
(おかしいわね。仮に吉本は死んだ、あるいはどこかに飛ばされたとしても、まだ“気”がある。他の三人からは感じとれないけど、吉本だけは微量に存在した。それがまだ残ってる・・・・・・ならどこに・・・・・・・・・・・!?)
少しずつ強くなる轟音。それが耳を劈くほどの大きさになった途端、
ドスッ――――!
「うっ・・・・・・・・!?」
魔理沙は、突然突っ込んできた緑と黒の影にぶつけられ、そのまま箒から手を離し落下した。
地面に叩きつけられた彼女は、そのまま気を失った。
「たく、危なかったやろうに!」
苛立たしげにつぶやいたその影は、着地と同時にユニットを畳む。
「吉本!?」
「お、生きてたか」
「無事でしたか!」
「やっぱりね」
紫の一言に少し引っ掛かった三人ではあったが、すぐに視線を吉本と魔理沙に移す。
「よくもやってくれたな。おかげで死ぬとこだったやろうに」
いかにも喜んでいるような表情と口調で文句を言う。
「まぁ、生きてんのはいいとして・・・・・・・アンタのせいでオレの服ボロボロになったやんけ!お気にやったのに・・・・・一度ボロになると縫い合わせが大変でしょうがねぇっつうに・・・・」
「「そっち・・・・?」」
「吉本らしいな。と言うか、パイロットスーツって縫えるのか?」
そして都合よく目覚めた魔理沙は、自分がまだ生きていることを確認するかのように、手を開いたり閉じたりしている。
「お、あっちの穣さんもお目覚めのようだぜ?」
岡島がいつの間にか火を付けたタバコを口にしている。そして
「勝負あり!!吉本一勝!!」
岡島に笑いかけた吉本は、そのまま向き直り、いまだ上半身だけ起こしている魔理沙のもとへ歩み寄る。そして手を出す。それに気付いた彼女は、自分よりも高い男を見上げる。
「お疲れさん。さすがにさっきのは痛かったやろ?そこだけはすまん。それから・・・・・」
とだけ言いかけ、少しためらう。
「・・・・なんだ?」
魔理沙も笑み返し、吉本の手を握る。そして彼に引き上げられるようにして立ち上がる。
「・・・・・人褒めんのはオレらしくないんやけども、なかなかの弾幕やった。結果的にはオレが勝ったが、あのショットにビームはマジでやばかった。ホント死ぬかと思ったで。オレも火力主義や。アンタとはなかなか気ぃ合いそうやのう」
「だな。私もそう思うぜ」
二人は改めて手を固く握り、
「今度また一戦やろうぜ!」
「おう!」
握っていた手を離し、後ろに引き思いっきりハイタッチを交わした。
そのやりとりの後、二人は待機しているグループの中へと戻った。
―――Side霊夢―――
神社の中の掃除や札の整理を終わらせて途中から見てたけど、吉本ってやつ、結構やるわね。
あの魔理沙を初対面で、しかも弾幕を軽々と避けた上に最後には殴って倒しちゃうし。
でも、結局仲良くはなったみたいね。
あんなやつがいるんだし、私も少しは気をつけたほうがいいかしら?
そんなことを思いつつ、再び神社へ戻った。あとで、とても痛い思いをするとは知らずに・・・・・・。