遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅴ
「ん?なによ闇、病室は静かにしなさいよ」
「そうだよあむくん!メッ」
………僕の努力は、この瞬間に終わっていた。
「お疲れ闇!」
光輝が実にいい顔で敬礼してきた。
「き!!きっさまーっ!!!」
「ういーすっ!!」
そこに、病院と動物園を間違えた類人猿が元気よく現れた、【火山洋助】の登場である。
「うお!!すげえ!!プディンセスケーキだ!!ちょう旨そう!!」
洋助は発情期の猿のようにケーキで興奮しはじめる。
「あ!洋助!!これね〜闇君とひかりんがあたしの為にもらってきてくれたの〜一緒にたべよ〜?」
「まじっ!?サンキュー!」
あろうことかこの類人猿は、進んで風香とケーキナイフを握り、風香は得意気に先ほど姉から教わったように斬りだした。
「すげえ!ズブズブ入るっ!!」
「でしょっ!!?すごいっしょ〜!!」
二人は仲睦まじい風景を醸し出すのだから不思議だ。
「「洋助!!!」」
同時に洋助の名前が呼ばれ、ボクが振り向くと、後ろには正義モードの光輝がいた。
「決闘だ!ガスタの巫女に手を出す輩は、俺が浄化してやる!!」
珍しく光輝が乗り気だ、洋助は当然断らないケーキを一口で飲み込む。
「ほう?臆病な宝石共が吠えるじゃねえか…望む所だ!邪念体もろとも溶かして硝子細工にしてやるぜ!!」
僕も中に入れられていた、僕はキョロキョロとしていると姉さんが肩を叩く。
「勝ち取りなさい…我が弟」
親指を立ててガッツポーズまでしてきた。
「ふん…身の程知らずの雑魚共が…纏めて闇に静めてやるよ!!」
僕達は決闘の為に外へと駆け出したのだった。
「みんな…なんでケーキなんか取り合ってるんだろ」
風香が首を傾げると、海里はそそくさとケーキを皿に取りながら首を傾げる。
「甘いの好きなんじゃな〜い?」
知ったかぶりに言えば、ケーキを口に運んだ。
「さあさ!男共がいない内にケーキを食べちゃいましょ?」
光は大皿にケーキを崩してよそる。
「ああずるい!あたしにも〜!」
風香は左手を振り回してケーキ戦争に参加したのだった。
今日も平和な1日だった…うん。
―ある場―
『ほう…ヴァイロン・オメガに、インヴェルズ・グレズ…最大級のモンスターにタクティクスが光り輝く!わたしのハートもバーニングしています』
『すみません、No.の炙り出しが目的だったのですが…収穫は…』
『No.でなくとも収穫は収穫です…この決闘人達はNo.狩りのいい駒になってくれるかもしれません…さっそく運営委員の手配書を送ろうではありませんか!よろしく頼みますよ』
『はあ…』
ある時の会話―それは、新たなる戦いの始まりを告げる―
作品名:遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅴ 作家名:黒兎