巴マミが魔法少女になる前の話
「――ええ。そういうことになるわ」
少女の顔は変わらず、一時の間を置かずに淡々と答えた。少女はふと身体を捻らせると、白い生き物は少し慌てた様子で、
『ど、どうしたんだい!? 君の今の身体能力ならこの程度の高度、足場でも不安定になることはないはずだけど!!』
だが、少女は艶然と微笑み、その崩した姿勢をそのままに質問に答える。
「――なんでもない。ただ、狩りの時間が来ただけよ」
そう言って、月光は彩りながら、遥か遠くに見える歪んだ町中に駆けていく少女を見つめた。
作品名:巴マミが魔法少女になる前の話 作家名:ぼんくらー効果