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ぼんくらー効果
ぼんくらー効果
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巴マミが魔法少女になる前の話

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「ご、ごめんなさい。大丈夫です。今行きます」
「いいの? 助けられるほうはそれを望んでないみたいだけれど」

 優しく微笑みながら女の子は言いますが、わたしは首を横に振り、

「――いいんです。わたしは、ルミちゃんを助けるためなら、魔女に食べられちゃっても全然平気です」
「ふふ。あなたが食べられるなら、助けたその娘も食べられちゃうでしょうけどね。――まあそんなことと絶対にしないけどね」

 いじらしくそう言うと、またゆっくりと歩き出します。そして、しばらくもしないうちに右に曲がると、そこには明かりを灯した一室が三階に見えた。

「急いでいたから明かりをつけっぱなしで出ちゃったみたいね」

 ふふ。と、微笑みながらこちらに首を向けて、さあ行きましょう? と促した。
 階段の道は真っ暗で、明かりがつくまでは短い間だったけれど、その短い時間で――わたしがこれから異常なことに足を踏み入れるんだなって思って。今更少し後悔してしまいました。


 ――よく考えればみんな寝ているし、カーテンを引いているので明かりが見えなくても当然です。自分の心配は杞憂だと知って、安心しました。――きっとそう、そうに決まっています。