とある転生者の話(第一部)
第八話 後悔もあったけどいい思い出かな
ボクらの目の前に、ラスボス…
…のごとく怒りに震えるオオスバメが。
「マズイ…マズイってのこれは…!!」
「……マズ過ぎるね、これは」
なにせこちらは虫と地面。
対して相手は飛行…あ、ノーマルもか。
攻撃面でも防御面でも相性が悪すぎる。
「兄さん、ボクがストライクに命令したと共にナックラーを仕舞って逃げて」
「な、何を言ってるんだ!?」
「二匹の技でどこまで削れるかよりも確実に助かる方に賭ける」
「それならオレが引き付けた方が!」
「実はさ、ボク、運動神経ないんだ」
「そんな新事実発覚しないで欲しかったよ!しかもこのタイミングで!!」
いや…体育苦手なんだよね~割とマジで。
「分かったよ、オレが走って大人呼んでくる。だからそれまで耐えろよ?」
「了解、といってもボクよりもストライクに言って欲しいな」
『…いらぬ、オスに応援されても嬉しくない』
「おい、それはある意味問題発言だ」
メスであればいいような言い方、イクナイ!!
「とりあえず、準備は出来てる。いいぞ」
「うん…じゃあ…」
小さな戦争の…
…始まりだ!
「ストライク!燕返し!!」
『…はぁ!!』
ストライクが向かうと共に、兄さんはナックラーを仕舞い、脱兎の如く逃げ出した。
スババー!
オオスバメは怒りの矛先をストライクに向けた。
「そのまま辻斬り!」
『……アユムには…指一本触れさせない!』
ストライクが切りつける。
スバースバー!!
オオスバメと共にスバメの大群も攻撃をしてくる。
「おりゃー!」
近くにあった枝で殴る。
ただし自己防衛以上はしない。
作品名:とある転生者の話(第一部) 作家名:紗雅羅