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とある転生者の話(第一部)

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流石にどんだけ時間がたったかわからない。
ストライクもボクも疲弊している。
どちらもボロボロだ。
それでも残っているのはオオスバメと数匹のスバメとなった。
スバースバスバー!
オオスバメが羽ばたき、風が舞う。
『くっ……』
ストライクが吹き飛ばす。
「ストライクっ!!」
スバァー!
そのまま、オオスバメがこちらにやってくる。
「げ!?」
あれは…鋼の翼!?
枝でどうにか…なるわけない!!
しかし、風で動けない!
「くそぉ…!!」

その瞬間、奇跡が起こった。

『う…うおぉぉぉぉぉお!!』

その雄叫びと共に…輝く身体で特攻してくるものが…

ギィン!!

オオスバメを受け止めた。
「え!?」
そこにいたのは…
…ハッサムだった。

『…アユムに、気安く触れるな、ケダモノめ』
そうつぶやき、ぶん投げた。
スバー!?
『……さっきのお返しだ、秘剣…千鳥、初手・糸目 (いとめ) から次手・水翻(みずこぼし)継いで・席入 (せきいり)!』
ハッサムが素早く攻撃をいれる。
『…一入 (いちにゅう) 、二重切 (にじゅうぎり) 、三彩 (さんさい) !そして…八寸 (はっすん)』
フィニッシュした。

「……ハッサム?」
『……アユム、平気か?』
「進化…したのか?」
ハッサムがフラっと倒れた。
「ハッサム!!」
だき寄せたが、疲労で気絶しているだけのようだ。
ホッとしたつかの間、後ろから大人達の声がした。

助かったボクらは大人からこっぴどく叱られた。
もちろんお兄さんも怒られた。
父さんにも母さんにも怒られた。
散々な目にあったけど、進化した、思い出になればいいな。


第二部に続く