とある転生者の話(第二部)
書類は意外に簡単に処理も終わった。
受付のお姉さんがトレーナーカードと共に準備しておくからまた来いって言ってた。
『……旅、どこに行くんだ?』
「うーん、ジョウト地方にしようとおもう。」
『…ジョウト…ポケモンリーグ発祥の地の…』
「隣だよ、父さんの出身。」
そういえば、カントー出身の母さんとジョウト出身の父さんがなんでホウエンにいるんだろう?
「ふむ、ジョウトに…」
「父さんの実家もあるし、母さんの実家も見てみたいんだ」
「母さんの実家は…なぁ…」
「…まぁ、止めはしないわ」
母さんの許可も頂いたので、行き先はジョウトとなった。
「あ、そうそう、とある所に寄ってほしいんだ」
「え、どこ?」
「ウツギ博士っていうポケモンの研究をしている人の所よ」
「いいけど…その人、どれぐらいすごい人?」
「【ピカチュウが既に進化したポケモンである】という説を初めて立証した人よ」
あぁ、やっぱそのウツギ博士なのね。
「ふぅん、そんな忙しそうな人の所寄っていいの?」
「連絡したら【是非とも会いたい】って。同じ年頃の息子さんに会わせたいそうよ」
「息子、いるんだ…」
ということは…時代的にHGSS辺りなのか?
「ボクは構わないけど」
「じゃあ、誕生日には着くように申請してあげるわね」
こうして、ボクはジョウトに向かう船に乗った。
交付されたばかりのトレーナーカードと準備した荷物、そして…
『……未知の土地、か』
「そうだね…」
『……頑張るか』
相棒と、共に。
「うぅ…酔った…」
『…あれほど部屋で横になってろと…』
「だって船はじめ…うっぷ…」
『…トイレはあっちだ』
作品名:とある転生者の話(第二部) 作家名:紗雅羅