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とある転生者の話(第二部)

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side:ハッサム

アユムが目を覚ましたので状況を話した。
アイツが覗いてた事は黙っておいた。
彼女は「そう」とだけ言った。
どうやら人格の差に未だ戸惑っているようだ。
男前な自分と女らしい自分。
…母上がいないのだから守らなくてもいいのに。

夜更け、彼女が寝た後にアイツが帰ってきた。
ボールが増えている。…何かを捕まえたようだ。
「…お前は起きてたのか」
そう言ったので頷いてやる。
「…ちょっと話を聞いてくれないか?」
そう言ってアイツが語りだした。

side:シルバー

オレの親父は有名なジムリーダーだった。
何度も挑戦者に勝ち【最強のリーダー】として馳せていた親父に幼い頃、憧れを抱いていた。
だが、その親父には、これまた有名な悪の組織のボスという隠された顔があった。
三年前、一人の少年によってその正体が暴かれ、組織は壊滅、ボスである親父はオレをを捨てて消えた。
残されたオレは三年という歳月の間、世間から虐げられてきた。

…何もしていないのに嫌われた。
…何もしていないのに罪に問われた。
…誰にも信じてもらえなかった。

オレは人を信じられなくなった。
そして親父より強くありたいと、負けたくないと願うようになった。

トレーナーになって、普通にポケモンを貰うつもりだった。
だが、博士に信じてもらえないと思った。
親父のようになると思われたくなかった。
だから…盗んだ。

ヒビキが追ってきた時も、言われた言葉も、それが普通だと思ってた。
貶されて当然だと思ってた。

アユムだけが違った。
たかが一回野宿が一緒だった、それだけなのに信じてくれた。

オレはあいつを騙してる。
あいつを利用しようとしてる。
それで、いいのだろうか?

そんな時、声が聞こえた。