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とある転生者の話(第二部)

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side:アユム

うとうとしていると語りが聞こえた。
声からしてシルバーだろう。
「オレはあいつを利用しようとしてる。それで、いいのだろうか?」
そう言うから、つい言っちゃったんだよね、起きて。

「いいじゃん、利用すれば」

シルバーはハッサムにだけ語ってたようだからびっくりしていた。
若干パニくってる。
てか顔が青い。そこまで知られたくなかったのか?
「利用したいんだろ?すればいいよ。ボクは構わない」
「え、か、構わない!?」
「うん、構わない。ボクの知識を使いたいんでしょ?
…好きなだけ利用すればいいよ。」
「な、お、お前!自分の言ってる事分かってるのか!?」
「そこまで寝ぼけてないって」
すっごく気まずそうに言う。
「…なんもしてやれないぞ」
「気にしないよ」
投資と一緒だし。
「そこまでする価値があるとは思えない」
「ジムリの子どもってだけでヒビキやボクより才能がある。それは紛れもなくシルバーの価値だと思う。
それに、親の七光りが嫌で、その分努力してるでしょう?そういう面から見ても十分人間として価値があるよ」
面倒だからと育て屋に預けたり、弱いからポケモンを捨てる奴とは違うってのも知ってる。
と言っても原作設定だけど。
「…泥棒した」
「謝りに行けばいい。なんならボクも一緒に謝る」
ウツギ博士は情に厚い人だから大丈夫だと思う。
「……どうしてそこまでしてくれんだ?他人だろ?」
戸惑ったように言う。
「だって友達じゃん」
「……」
ぽかんとしているシルバー。
「ボクの、ジョウトで初めての人間の友達。」
ポケモンはお嬢だけどね。
そして、絞り出すように言った言葉は…
「……変な奴」
「え!?なんでそうなるの!?」
「お前に一切利益がない。ただ利用されるだけ。
お人好しを通り越して変人だ。」
「酷っ!?変人とまで言いやがった!?」
「だから…」
「…だから?」
少し言いづらそう。
「だから…こっちにいる間、一緒に旅してやる!」
そう叫んでそっぽをむいた。
耳がほんのりと赤くなってる。
「お前はお人好しだからな!絡まれて身ぐるみ剥がれてそうだ」
「そこまでお人好しじゃないよ!」
「どうだか…この地方の案内も兼ねて護衛してやる。それならフェアだろ。」
耳も首も赤くしながら言う。
「まぁ、正直こっちの知識ないから、シルバー居なくなったら困るんだけどね」
「…ふん」
「じゃあ、これからよろしくね!」
「……あぁ」

改めて、シルバーと旅することになった。

《おまけ》
「ねぇ、シルバー」
「…なんだ」
「お父さんって髪何色?」
「…?黒だが」
「うーん、じゃあ容姿はお母さん似で顔のパーツはお父さん似なのか…」
「お前、よくわかったな。…まさか親父にあったのか!?」
「いや?目とか鼻筋とかが母さんに似ている気がしたから」
「…お前のお袋、トキワ出身だったよな…」
「…確か…」

(言えない…もしかしたら従姉弟かもだなんて言えない…)
(まさか…確かに親父には結婚した姉がいて娘がいるって聞いたことあるが…いやそんなはずは…)

『……何してんだこいつら』
『ますたーも大変なの』
『なんだか知らねぇが、マスターも大変なんだな。
でもオイラはそんなマスターも好きだぜ!!』
『私もますたー好きなの!』
『…お前らいい加減にしろや!!』


続く