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とある転生者の話(第二部)

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「チコリータ…?」
小さく、震えるチコリータだった。
「よく知ってるね、珍しいポケモンなんだけど」
ん?でもなんかおかしい。
ガクガクブルブルって感じ、…寒いのか?

ち…ちこぉー!!!!

そう叫んでこっちに猛スピードで突っ込んで来た。
一瞬見えなかった。
「早っ!?」
ドカッ
「そげぶっ!?」
腹にクリーンヒットした。
「アユムちゃん!?」
カンザキさんがキャッチしてくれた。
『…ガキ…殺されてぇのか…?』
ハッサムさんマジ切れる五秒前。略してHMK5。
はいそこ、ネタが古いとか言わない!!
ちぃ…ちこぉ…
チコリータは震えている。
それはもうなんかトラウマでもあるんじゃね?ってくらい。
「ハッサム、通訳お願い」
『…そのまえn』
「理由なく殴ったらいけないと言ったろ」
『理由は出来た、ならいいだろ?』
「その前に通訳」
『…ちっ』

通訳によると、どうやらこの子、博士の聞いた情報より幼いらしい。
親と離れ離れで怯えていた所に泥棒騒ぎ。
何がなんだかわからず出され、殺されるんじゃないかと思い、とりあえず弱そうなボクに体当たりしたらしい。

『ごめんなさいごめんなさいごめんなさいー!』
泣きながら謝られた。
「いや、もういいから」
さっきから超謝られてる。ハッサムが悪い。
『……ガキがした事にいつまでも怒らねぇよ』
キレたことによりちょっと性格変わってるよ…相棒。
「とりあえず、ボクが預かっちゃっていいんですよね?」
「大丈夫かい?かなりのダメージだと思うんだけど」
「多分平気です」
実は結構痛かった…

シルバーに会ったらなんとかしてみると約束し、ワカバタウンを出た。
「で、お嬢ちゃん」
『…なに?』
「なんか名前の希望とかある?」
『ないの…』
「そっか、じゃあ、お嬢って呼ぶね」
『わかったの…』
おどおどしているところが可愛いな、こいつ。
「別にとって食ったりはしないよ?」
『赤い虫のお兄さんのエサにもしない?』
赤い虫のお兄さんって…
「ハッサムの事?」
コクコクと頷くお嬢。
そんなに怖かったのか。
「大丈夫、食おうとしたらボクが殴ってあげる。だから怯なくていいよ」
『わかったの』
少し元気が出たようだ。

こうして仲間が増えて、ジョウトの旅が始まったのだった。