とある死神の平行世界
第1章 〜禁書目録〜
「待ちやがれー!ガキが!」
「あぁ…メンドイな…。」
俺はとある事情で不良に追いかけられている。
理由は話せば長くなるのだが、簡単に言うと助けようと横やり入れたら逆切れしてきたのだ。
まったくとんだ厄日だ。
俺はある程度人目につかないところに逃げ込んでそこでまとめてのしてやろうと考えていたが、奴らの気配がなくなってきているのを感じて、これは撒けたんじゃないかと思った矢先だ…。
「何してるのよ?」
「もしかして、連中が追いかけてこなくなったのは…?」
「メンドイから私がやっといた。」
この俺に話しかけてきている女の子…。それがあの不良に絡まれていた子である。
別に、この子を助けようとした訳じゃない。この子に不用意に近付いた不良たちを助けたんだよ。
なんていったって…こいつは常盤台中学の誇るレベル5なのだから。
俺こと黒崎一護が住むこの街は東京西部の三分の一の面積を持つ学園都市と呼ばれるところだ。
ここでは人口の8割は学生で、人の能力開発が行われいる。
「お前が7人しかいないレベル5なのは知ってけど、あんまり調子乗らない方がいいんじゃないか?」
「まったくいつもいつも上から目線ね!」
なにやら、また彼女の気を逆撫でするようなことを言ってしまったらしい。
俺は心配して言ってあげてるつもりなのだが…。
彼女ことびりびりは当然のように電撃を操り、その電撃を槍のようにしてこれに投げてきた。
これが、ここでの当たり前の日常である。
能力の衝突なんて普通だったらまずありえない。
だから、俺も最初は戸惑ったのだが…。
「効かねぇよ!」
俺のここでの能力は完現術|《フルプリング》
人それぞれで能力は変わる。もちろん完現術の能力も種類はある。
俺の完現術の能力は物の形を変えて身に纏ったり形を変えて武器にすることができる。
なんでもレアな能力らしい…。俺以外には纏うという完現術は存在しない。
完現術という分類ではたくさん当てはまるが、纏うという能力だとこの学園都市ではただひとりである。
このびりびりに最近は襲われることが多いから電気を通さないゴム手袋を持ち歩くようになった。
俺はそれを力で身に纏い電気を防ぐ。
「あんた!それずるいわよ!ちゃんと戦いなさいよ!」
「なんでそんな面倒なことしなきゃなんねぇんだよ。」
「なめきってるわね…。」
電気を身体中に帯びさせて、下を向いているため表情は見えないがなんだか雰囲気がおぞましい。
ポケットからコインをとりだして指先で弾いた。
「死ね~~~~!」
そのコインを電撃を帯びさせて飛ばしてきた。
これは本気で止めないと死ね…。放たれる前に本能的にヤバいと感じ、持っている代行証をとりだした。
「月牙天衝!」
電撃と黒いものが激突してそのまま辺りは爆風に包まれた。
作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル