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とある死神の平行世界

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「うぅ…熱い…」


俺はうだるような熱気で目を覚ました。
昨日雷のせいで停電になりエアコンがきかなくなっていたのだ。
あのびりびりめ…


朝飯を食おうと冷蔵庫をのぞくとなかのものは全滅。
今日はカップ麺で我慢…それすらないのかよ!
家ならゆずがご飯用意してくれるんだがな…。


気分転換のために布団を干そうとベランダに出るとそこには…
白い修道服のシスターが干されていた。
生きてる…よな?


「うっ…うーん…。」


「おい大丈夫か?」


「お…お腹空いた……。」


この子にはどこか遠いところで幸せになってもらおう。
まぁ、とりあえず俺はこのシスターを中に入れてご飯を炊いた。
おかずがないのは少し心苦しいが仕方ない、我慢してもらおう。


「おいしい!おいしいよ!これがジャポニカ米なんだね!」


結構喜んでもらえてるからよかった。
そんなこんなで彼女がなぜうちのベランダにに干されていたのか話をきくことにした。


「追われていたんだよ、魔術師に。」


「はい?」


あまりの急展開に一護もついていけない。
いきなり魔術師などと意味不明なワードがでてきたのだから当たり前の反応と言えばそうなのだが、シスターさんにはそれでは問屋が降りないそうです。


不機嫌になりがらも一護に猿でもわかるように親切丁寧に教えてくれた。
一護は最初は信じていなかったが、元は科学とは真逆のオカルトに属していた分彼女の話になにか信憑性に見いだしていた。


一通り話をし終えた後、彼女は思い出したように自己紹介をしてくれた。
彼女の名前は禁書目録|《インデックス》他にも魔法名やらなんやらあるっぽいのだが、名前を覚えるののが苦手な一護はそれとなく流した。


「それじゃあ、もうそろそろ行くね。ご飯ありがとう。おいしかったよ。」


「いっちまうのか?なんだったらここに身を潜めていてもいいんだぜ?」


「そんな迷惑かけられないよ。でも…またお腹が空いたら戻ってくるかも。」


そういってインデックスは最後に一護の方に向いて『ありがとう』
ともう一度礼を言った後、そのまま足り去っていった。


俺も夏期講習に向かわなければならず仕方なく家を出ることにした。
家を出ようとするとそこにインデックスがかぶっていたフードのようなものが落ちていた。
おそらく忘れていったのだろう。もしかしたらこれを取りにまた戻ってくるかもしれない。
一護はくるかもしれない期待をこめて帰りにスーパーで買い物して今度こそうまいものを食べさせてやろうと思ったのであった。



これが…
黒崎一護の新たなる戦いの幕開けである。

作品名:とある死神の平行世界 作家名:スバル