Tu m'aimes?
気分はめちゃくちゃだった。
今まで私を女としてみてくれなかった仲間たちの唖然とした顔をみて胸がすくような快感を覚えたのも、ビクトールにエスコートされる恥ずかしさと嬉しさと優越感を覚えたのもつかの間だった。ロンは私に噛み付いてきて、それをきっかけに私たちは大げんかをした。パーティーが始まってから二時間ほどしか経っていないのに、なんということだろう。
捨て台詞を吐いて女子寮に戻ったものの、皆まだ帰ってきていない。そりゃあそうだ。普通はもっともっと長い時間パーティーを楽しむべきものなのだ。私はぐったりと体をベッドに横たえて靴を脱いだ。ドレスはぬぎたくない。寂しくて無気力になってしまう。ぐるぐるとロンとのけんかを思い出している間に眠りの世界へと落ちて行った。
気づくと三時になっている。皆さすがにもう戻ってきていて、幸せそうな寝顔が並んでいる。私はそろりと起き上がって鏡を取り出した。
シニョンがぐちゃぐちゃになっている。私は無理矢理笑い顔を作りながらシニョンを結った。顔に涙の跡が残っていたので、私はごしごしとこすって消そうとした。
寒いのでローブを羽織る。いっそこのままどこかへ出かけてしまおうか、と思い、靴下を履いてローファーを履いて女子寮のドアを静かに開いて出て行った。
作品名:Tu m'aimes? 作家名:わかめ