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Tu m'aimes?

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「もし僕が誘ったら、僕とダンスパーティーに行ったか?」
「何、急に」
「答えてくれ」
 私はまっすぐ前を見たまま答えた。
「そうね、二人のことを気にしていたら行けなかったと思うわ」
 マルフォイは呟くように尋ねた。
「敵だからか?」
「あの二人、そういうのに妙に敏感だから。たしかに、いつもの私ならノーって言ってるところかもしれないわね」
「そうだろうな」
 しばらく沈黙が二人の間を貫いた。
「ねえ、私がもし純血だったら……ありえないけど私がもし純血だったら、私、あなたのこと好きになっていたのかしら」
 気持ちが思わず口をついて出た。
「私、もうこんなこと言わないけど、裏切ることになるのかもしれないけど、もしあなたがもっと優しかったら、あなたのこと好きだったかもしれない」
「間違ってもそんなこと、ポッターたちの前じゃ言えないな」
 冷たく言い返される。
「いくらでも私を馬鹿にしてちょうだい。私なんてただの尻軽女よ、なんでこんなことあなたなんかに言っちゃうの。意地悪で、冷たくて、高慢ちきなあなたなんかに!」
 情けなさに思わず涙をこぼすとマルフォイが私の顔をつかんで、乱暴に頬の涙を拭った。私は驚いて動けなくなってしまった。
「本当に生まれた場所を間違えたな、グレンジャー。お前も、僕も」
 マルフォイがそのまま私の顔を引っ張って唇に近づけようとするので、私はマルフォイの肩に手をおいてそれを止めた。
「あなたはキスの相手を間違えているわ」
「間違えていない」
 マルフォイがもっと私の顔を引っ張ったので私はまた肩においた手で止めた。
「ロンたちを裏切ってしまうわ」
「もう“裏切った”んだろ」
 マルフォイはいっきに私の唇を奪った。三十秒ほどキスして離れたとき、マルフォイは一言、
「次はマグル生まれになんか、なるな」
 私はそれに言い返した。
「あなたもスリザリンに入るような家系に生まれないで」
 私は立ち上がった。
「もう帰るわ。これがビクトールだったらよかったのに!」
 最後の言葉は付け加えるように、皮肉で言った。マルフォイは何も言わず、無表情で私を見送った。


作品名:Tu m'aimes? 作家名:わかめ