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アズール湊
アズール湊
novelistID. 39418
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黒と白の狭間でみつけたもの (13)

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優しい笑顔で、タッくんの頭をなでてくれた。

ゾロアが嫌そうにその様子をみていたのが気になったが、それ以上になんだか照れくさかった。

「さて、あの完璧な数式でつくられた円形と、放物線が美しい噴水の前で、トウコを待っていようか」

そう言って、噴水の側に駆け寄ったNを、タッくんと、ミーナはゆっくり追いかけた。

言うことはちょっと変だけど、こいつも優しい奴だよな。

白い円形の噴水は、こっちの方がずっと大きいのだけれど、サンヨウシティでみんなと遊んだ時の噴水と、少し似ていた。

そういえば、あの街からずっと3匹で旅をしてきたんだったな。

噴水の縁に腰かけながら、なんとなく今までの旅ことを自然と思い出していた。

『何考えてるの? 楽しそうな顔してさ』

ミーナが言った。

無意識に、笑っていたみたいだ。

『トウコと出会ってからの旅のことを考えてたんだ。結構いろんなことがあったなぁと思って』

『ふ~ん、面白そうじゃない。聞かせてよ、旅の話』

『ああ、いいよ。トウコが来るまでだけれど』

公園に入ってくる人を時折眺めて、トウコを待ちながら、タッくんはミーナに向かって、話し始めた。

はじまりはカノコタウン。

ゆっくりと話し始めた旅の話は、思っていた以上に盛り上がって、ミーナは楽しそうに目をキラキラさせていた。