遊戯王異聞録-DUEL SURVIVOR-
序章-かくして、運命は牙を剝く・1
突然届いた一つの小包。
それが全ての始まりであった。
中身はデュエルモンスターOCG(以下DM)用のデュエルディスクと一枚の切符。
そして、一通の手紙だった。
手紙の内容は以下のようなものであった。
『誕生日おめでとう、晶。
頼まれていたプレゼントを送ってやったぞ。
ただし、そのディスクは今はプロテクトがかかっていて起動できん。
解いてほしければ、俺の家まで来て決闘で勝ってみるがいい。
健闘を期待しているぞ?
PS
それはそうと、ちゃんと宿題はやったか?
いつも神奈に頼ってないで、たまには自力でやれ?
お前の偉大な兄より』
ぐしゃ!
手紙を読み終えた少年-天野晶(アマノアキラ)はそれを即座に握りつぶした。
(やはり、兄貴がタダで物をくれるはずがなかった…!)
胸にやり場のない怒りの炎を燃やし、晶は早速出かける準備をする。
外出着に着替え、愛用のリュックにディスクと自分のデッキを放り込み、それを背負って階段を駆け下りる。
そして、顔を洗い、適当に髪を整えた後、両親に「兄貴の家に行ってくる」と告げて外に飛び出す。
(見ていろ、次こそは必ずぎゃふんと言わせてやる!)
心の中でそう呟き、晶は愛用のクロスバイクに跨り最寄の駅目指して走り出した。
それは、晶の高校初めての夏休み。
その最後の一週間のことだった。
作品名:遊戯王異聞録-DUEL SURVIVOR- 作家名:六堂 修羅