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緋弾のアリア~薬物科の武偵~

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とある日、俺は引越し屋のトラックに揺られながら、眠っていた。

今年から俺は東京武偵高校に新設された学科・・・<薬物科(メディシン)>に所属することになった。

そうなった理由は、少子化により 全校生徒数が800人から一気に290人に減ったからだ。

それもそのはず、今年入る予定の一年生は、18人で、今年卒業したのは、500人、在校生はたった290・・・。

それに新入生を足しても、308人・・・。

少なすぎる・・・・。

それに、今在校している生徒のには海外の研究機関に行く者もいる。

その為、大体在校生は200人居るかいないか・・・・。

3年は120人、2年は俺を含め、62人、1年は18人となった。

その為、経済的な余裕がなくなって、廃校となった・・・。

だが、武偵局の計らいで、武偵高と統合するとなった・・・。

さすが、校長の人脈・・・・。

その人脈を生徒集めには役立てんのかね・・・・。

俺はそう考えていた。

すると、トラックは停まった。

「着いたぞ、ガキ」

「見りゃわかるって・・・・」

俺はそう呟いて、トラックから降りた。

しかし・・・・、薬専校の寮よりきれいだな・・・・。

「おら!さっさと運べよ!」

ちまちまうるせい奴だな・・・。

「分かってるって・・・・」

俺は渋々、荷物を運ぶ。

運ぶと言っても、アタッシュケース×8と実験用具セット、白衣と私服だ。

そんなに数は無いが、アタッシュケースは一つ10kgある。

俺はそんなアタッシュケースを4つ同時に持って、今日から住まう部屋に運んだ。

部屋は遠山っていう人の隣だ。

すべての荷物を運び終え、運送業の男性を見送りに、外に出た。

「んじゃあ、達者で暮らせよ」

「言われなくても分かってますって・・・」

「しかしまあ・・・、なんでお前は行かなかったんだ?」

「何にだよ?」

「寮だよ、寮。折角、校長が学校の土地を売り払って、買ってくれたんだからよ。ちったあ校長の恩も
着ろよな」

「んなこといったら、校長に迷惑掛けっ放しになんだろ・・・」

「そうだな・・・・」

「また何かあったら連絡するよ」

俺がそういうと、男性は「おう」と言って去って行った。

さてと、俺も部屋の片づけするかな・・・。

俺はそう考え、部屋に戻った。

部屋に戻り、俺はアタッシュケースをクローゼットに入れた。

そして、ある程度、部屋を片付けたあと、チャイムが鳴った。

俺は時計を見た。

時刻はPM1:29を回っていた。

確か武偵高説明会はPM2:30からであったような気がする。

てことは、恐らく・・・・

俺はそう考えつつ、玄関を開けた。

そこには、セーラー姿の少女が居た。

「よう、春風。何の用だ?」

「おっつ~。今日は薫が来る日って聞いてたから、来てみたの。そしてついでに、いっしょに武偵高に
行かない?」

「別にいいぞ。すぐ着替えるから待ってろ」

俺はそう言い残し、リビングで着替えを済ませ、学ランを着る。

東京薬物専門学校は学ランである。

女子はセーラー服。

まあ、これを着るのは今日が最後だろう。

説明会の時に制服の採寸もするって言ってるしな・・・。

そして、俺は玄関に出て、春風と共に武偵高に向かった。






武偵高に到着し、体育館に入った。

すでにほとんどの生徒が集まっていた。

俺は自分の学年のところの椅子に座った。

周りの奴はみんな顔見知りだ。

といっても、当たり前なことなのだが・・・・。

そして、説明が始まった。

この武偵高では、<薬物科(メディシン)>は、衛生学部になるらしい。

薬物高では、全員が薬剤師の資格を取得しているため、納得できるのだが、劇毒物を扱う奴は少し頭を捻るだろう。

まあ、俺はどうでもいいんだが・・・・・。

その後、制服の採寸をして、設備説明を受けた。



その途中・・・・・・・・迷った・・・・・。

俺と春風、それに俺の親友である、倉木(くらき)雪弥(ゆきや)(17)、春風の親友である、姫川(ひ
めがわ) 愛美(あゆみ)(17)・・・・・。

「なんで迷ったんだ?薫」

「なんでだろうな・・・・、雪弥」

「そんなの決まってるじゃない・・・・」

「これはもちろん・・・・」

「「「雪弥が興味本位で廻り過ぎ!!」」」

俺と春風、愛美はハモった。

「全部俺のせいかよ!!!」

「「「それしかねえだろ!」」」

俺達がそういうと、雪弥はしょぼんとした。

「さてと、これからどうするの?薫」

「感でいくしかねえだろ・・・・」

俺は適当に、歩く。

すると、クロロベンゼンの香りがした。

恐らく、薬物科(メディシン)の学科塔が近いのだろう。


俺はそう考え、香りを辿った・・・・・・。



香りを辿ると、[KEEP OUT][HAZARD AREA]と書かれたテープで仕切られている建物に到着した。

その建物の付近には防護服を着た人が10名ほど居た。

入口のあたりに、有毒を記す絵が描かれたトラックが一台居た。

そのトラックの荷台から、防護服を着て、フォークリフトを運転している人が、何かを運び出した。

「ありゃなんだ?」

「薬物科なら自分で考えろ」

俺は雪弥が聞いてきたため、そう返す。

目を凝らして、トラックに書かれた文字を見た。

そこには<トリクロルエチレン>と書かれていた。

「・・・・さっさとここから離れるぞ」

俺は振り返り、その場を離れた

「お、おい!」

雪弥は慌ててついてきた。

もちろん、春風と愛美もついてくる。

「一体どうしたの?薫」

「お前も自分で考えろ」

「ケチくさいな~、教えてよ~」

俺は立ち止り、振り向く。

「仕方ねえな・・・。ありゃトリクロルエチレンだ。それも高濃度のな」

俺がそういうと、3人は驚いた表情をする。

「おいおい・・・なんでそんなもんがあんだよ・・・?」

「俺が知るか。恐らく、劇毒物取扱関係だろ。それより、早く合流しないと・・・」

俺は携帯を取り出す。

すると、3件ほど着信があった。

「風宮からだ」

「風宮から?なんでお前が風宮の携番知ってんだよ?」

「別にいいだろ。それより、電話してみないとな・・・」

俺は風宮に電話をかける。

『お!やっと繋がった。お前らどこに居んだよ?』

「悪い、恐らく薬物科(メディシン)塔から西に500mのところだと思う」

『もう薬物科(メディシン)塔に行ったのか!?』

「ああ。お前らも行っただろ?」

『それがよ、今は立ち入り禁止らしいんだ。なんか劇薬を納庫してるらしくてな』

「それなら見たぞ」

『本当か!?で、薬品はなんだ?』

「トリクロルエチレンだ。それも高濃度のな」

『おいおい・・・・マジかよ・・・。お前らよくそんなとこ行けたな・・・。もし俺がお前らだったら
逃げ出すっての・・・』

「俺達も逃げてきたところなんだよ。高濃度のトリクロルエチレンっつったら、毒分類だからな。それよりお前らどこいんだよ?そっちと合流すっからよ」