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世界一初恋 高x律 最初で最後の恋

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--- 10年前、俺の好きだった奴は突然消息不明になった

高校三年の頃、俺は他人に関心を持たないよう努め、
自分が傷つかないように人と距離をとっていた

そんな俺の廻りで、最近下級生がチラチラ様子を伺ってることを知った
俺のストーカー『織田律』

本人は気付かれていないと思っているだろうが、
俺は数ヶ月前からヤツの存在を知っていた

「この本、俺以外でも借りるんだ」

最初はそう思っていたが、以前読んだ本を数冊手に取り貸出カードを見ると
俺の名前の下に必ずアイツの名前が書いてあった

男が男のストーカーをする。少し興味があった
だから、アイツが俺に告白した時、「いいけど?俺はつき合っても」と答えた
冗談ではないが、本気でもない

だけど・・・
いつの間にかアイツが俺に与えてくれる無償の愛を”嬉しい”と思い、
一緒にいるだけで”幸せ”を感じていた

そう・・・これが俺の『初恋』



丸川書店 エメラルド編集部
俺は少女漫画の編集長をしている

男ばかりの編集部だが、そこいらの女子よりも乙女度MAXだ
俺はお荷物編集部を一年で立て直し、且つ『郷に入ってば郷に従え』精神で
部内のカラーはピンク一色、ぬいぐるみや人形などを配置している

だが、入稿前になるとピンク色からドス黒い色となり、生きた屍が床に転がる
大体20日周期で月刊誌を作成している為、校了直前は他部署の奴らも近寄らないほどだ

そんな俺のストレス発散方法と云えば、
酒、タバコ、そして読書

学生の頃から学校の図書室で閉館になるまで本を読んでいた
独りの部屋に帰りたくなかった俺は、図書室が一番の安らぎの場所だった
だから、未だに校了明けには図書館へ足を運び、本を読む

しかし、最近もう一つ図書館へ足を運ぶ理由が出来た
それは、彼に逢うためだった