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世界一初恋 高x律 パラレル

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【SIDE ファイナル】

隣の部屋に行ったもう一人の”俺”
小野寺と一緒に部屋に入ると、何やら二人して揉めている・・・

小野寺をチラリと見ると、ワナワナと震えながら「俺が・・・俺がいる・・」とブツブツ言う
「こっちの”律”の方が素直だったぞ?」そう言うと
「・・・・っ!まだ完全体じゃないんです!」
一体これから何が起こって今の小野寺が完成するのかと首を傾げる

「高野さん?”俺”に何かしましたか?」
「はぁ?」
「だから!”俺”に何したかって聞いてるんです!」
「妬いてんの?」
「なっ!妬いてません」
「ふーん。じゃ教えない」
「え?え?やっぱり何かしたんですか?」
「・・・・・」
黙ってると、真っ赤な顔で「高野さん!」とうるさいから口を塞いでやった

「んっ・・・ふっ・・・」
舌を絡ませ強く吸い、上顎を舐めて歯列をなぞる
濃厚ラブシーンをワザと見せつけるようにすると、揉めていた二人はピタリと固まりニヤニヤ笑い出した

「ぷはっ!ちょ!いきなりなんですか!!」
「ん?お前がうるさいから口塞いだだけだけど?」
「・・・・・っ!」

うっすらと頬を上気させて、上目使いで睨んでくる
すっげー破壊力・・・俺の理性を総動員しても持っていかれそうだ

「煽るなバカ!」
ぎゅーぎゅーっと抱きしめると、往生際悪くジタバタする
とりあえず俺は腕の中の可愛い生き物を無視して、もう片方のカップル見る

「で、仲直りしたわけ?」
そう言うと、もう一人の俺が”律”の手を取りながら「な?バカップルだろ?」とクスクス笑う

「そりゃどーも」
賛辞として受け止めた俺はまだもがき続ける小野寺に「いい加減落ち着け」と言って解放する

小野寺は肩で息をしながら、自分自身と対峙し「いくつの俺?」と尋ねる
「・・・十八歳」
「あー丁度イギリス留学中か。懐かしいな。ちなみに俺は二十五歳」
「・・・今、幸せですか?」
「え?」

突然の質問にポカンと口を開き、ギシギシと音が聞こえるかのようにゆっくりと俺を見る
まるで”今、何て聞こえました?”と目で訴えてくる
「答えてやれよ」
俺は口角を上げてニヤニヤと意地悪く笑うと、ボンッと顔がまた赤くなり「えっ!そのぉ・・」とモジモジする

もう一人の彼は黙って小野寺が答えるのを待っている
覚悟を決めたのか、ハァーと大きく息を吐くと「俺は幸せだよ」と答えた

「高野さんは?」
同じ質問だろう。もちろん悩むことなんてない。俺は即答で「幸せだ」と答える

彼は俺の答えを聞いてニッコリと微笑み、
もう一人の”俺”に向かって「帰りましょ。先輩」と言って手を繋ぐ

「お騒がせしました」ぺこりとお辞儀して歩き出す
「ちょっと待って!」と小野寺がもう一人の小野寺の腕を掴む

「あのさ・・・
 俺と高・・先輩が仲直りするってことは、未来が変わるってこと?」

「あーそれなら心配ないと思います」
「へ?」

「あのさ。パラレルワールド。聞いたことあるだろ?」

「”ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界”ってことか?」

「そう。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいうけど。
 どの時間軸で歴史を変えようとしても自分がいた元の世界には影響しない」

「俺と先輩は何だかのパラドックスを生じさせる事態が起こって”こっちの世界”に迷い込んだんですよ」

「なるほど!って素直に受け入れられないんだけど・・・」

「お前もう少し柔軟に考えろ。それでも少女漫画編集者か?」

「・・・っ!なんで高野さんは落ち着いてるんですか?!」

「わからねぇーことをグダグダ考えて疲れるだけだろ?」
「グッ・・・」

「そーゆーことだから。律行こう?」
「はい。先輩」

納得いかずグルグル考えている小野寺を他所にスタスタと歩いて玄関へ行く

「あのさ」
振り返ったもう一人の”俺”はニヤリと不敵に笑いながら「”律”っていい匂いするよな」と言って
繋いでいない方の手をヒラヒラさせながら出て行った

はぁ?
ギロリと小野寺を見ると、まだグルグル考えているのか一人百面相をしている
肩をガシッと掴むと我に返った小野寺が「何?」と俺を見上げる

「お前・・何された?」
「へ?」
「だから!あいつに何された?抱きつかれたのか?それとも一線越えたのか?」
「なっ!何言ってるんですか!」
「あいつ帰り際に”律はいい匂いする”って捨て台詞吐いていったぞ?」
「・・・・・っ」
「おい!いくら”俺”が良い男だからって浮気したのか?!」
「何言ってるんですか!大体”浮気”って・・俺達恋人でもないのに!」
「ハァ?もう認めろよ。さっき”俺は幸せだよ”って返事したじゃねーか」
「そ・・それは・・」
「あ゙ーーーもー限界!!言い訳はベットの中で聞く!」
「はい?」
「全部聞き出してやる。覚悟しておけよ」
ニヤリと目を細め口角を上げて意地悪く笑うと、小野寺は顔面蒼白になった


--- もうひとつの世界。もうひと組の俺達。

--- それでも同じなのは俺の隣に律がいること
--- 俺達は二人で新しいページを開いて歩いて行く
  
だから”お前”も律と繋いだ手を離すなよ


end