【ギルエリパロ】俺の幼馴染がこんなに可愛いわけがない!!
日が暮れるまでトーニョとフランシスと屋上でだべっていたら、いつのまにか下校時刻になっていた。
飲みほしてしまったファンタのペットボトル片手に声をかける。
「そろそろ帰るか」
寝っ転がってトマトをお手玉代わりにしていたトーニョーが顔を上げる。
「せやね」
「もうこんな時間かー」
フランシスも広げていた雑誌を閉じ、夕暮れに向かって伸びをした。
「あ、俺カバン教室だわ」
「そんじゃ俺達、先に玄関行ってるね」
「おう」
階段で2人と分かれて教室に向かう。廊下は夕暮れの陽ざしでオレンジ色になっていた。下校時刻が近いせいか誰もいない。
教室に入ろうとした時コツン、とつま先に何か当った。
「…何だ、これ?」
ありがちなプラスチックケースである。よくみると『タイタニック』と書かれている、どうやらDVDのようだ。
「落し物か?『タイタニック』…よく聞くけどまだ見たことねえんだよな」
なにげなくケースを開けてみて思わず目が点になる。
「はっ…!?」
中に入っていたのは『貴族凌辱BLゲーム・鬼畜眼鏡』とかかれた極彩色のディスクであった。
表面には何かの液体に塗れた眼鏡の青年がドS鬼畜顔の男が半裸で絡み合っている絵がプリントされている。
「え…?」
どうみたって『タイタニック』ではない。
これは…もしかして、そっち系の方々の…ホモとかゲイとかそういう系の方向けのあはんうふんなDVDだろうか?
「落ち着け、俺!一体誰がこんなもの、ここに…!!」
混乱する思考を落ち着かせようとした瞬間、人の気配がして振り向いた。
「はぁ…はぁっ…!!」
なぜか全速力で走ってきたのはエリザだった。
「あっ!」
向こうが俺を見て、その視線が俺の手にしているものに移る。
俺は自分の手にしているものを見て血の気が引いた。
「ま、待てっ…!!コ、コレは俺様のじゃなくてだなあ…ここに落ちっ…ていて…!」
しどろもどろに言いわけする俺を無視してエリザがズカズカと近づいてくる。
そして開きっぱなしのDVDケースをバシッっと勢いよくもぎ取った。
「見た…わね…?」
感情のない表情でエリザが低く呟いた。
ガキの頃、一番ひどいケンカをした時でさえこんな表情を見せたことはない。
その気迫に押されて口から言葉が出ず、ぱくぱくする。
「…み、…見ました…」
「こういうの私が持ってるって…軽蔑する?」
間髪いれずに問いかけられた言葉に思わずブンブンと首を横に振った。
ここでエリザの意思にそぐわない事をいったらどうなるか解らないと生命の安全装置が咄嗟に判断を下したのだった。
だからその後続けた言葉に若干の誇張が混じっていなかったと言えば嘘になる。
「お…俺様はお前がどんな趣味持ってたって軽蔑なんかしねえよ…!」
「…誰かに言ったら、タダじゃ済まさないから」
かつてないほど鋭い視線で睨まれて俺は頷くことしかできなかった。
背を向けたエリザが靴音も高く去っていくのを見守って、俺はその場に腰を抜かした。
続く…?
作品名:【ギルエリパロ】俺の幼馴染がこんなに可愛いわけがない!! 作家名:御苑