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【ギルエリパロ】俺の幼馴染がこんなに可愛いわけがない!!

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「ふぁー…」
あくびをしつつ顔を洗ってリビングに向かう。
「おはよう、兄さん」
「…おう、おはよう。わが弟よ」
エプロン姿のムキムキ弟がキッチンに立っている。
手にもった鍋には茹でられたヴルストが湯気を立てていた。
「親父とお袋は?」
2人分のコーヒーを入れながら聞いた。
「フリッツ父さんもマリア母さんもまだ帰って来られないようだ。人手不足らしいぞ」
フリッツとマリアは俺と弟のルッツの両親で、夫婦ともに音楽家として世界を飛び回っているため家に帰ってくるのは稀だ。
「はぁ…早く会いてぇな…」
尊敬する2人の活躍は嬉しいが中々会えないと心配になる。
家事は弟と分担してやっているため、掃除なんかはそこらの家より行き届きすぎているくらいである。
食べものがヴルストばかりというのは、いささか栄養に不安を感じるが…。
いつものようにTシャツに赤いパーカーを羽織り鷲モチーフのショルダーバックを片手に玄関に向かうとルッツが三匹の愛犬を撫でていた。
「じゃあ、行ってくるぜ!」
「いいこにまっていろよ」
愛犬達に手を振り2人で外に出る。
「「げっ!」」
歩きだそうとした時、隣の家から出て来たヤツと目があった。
すっごく嫌そうな顔をしてこちらを見ているのは、
「ああ…おはよう。エリザベータ」
俺の幼馴染だった。
「おはよう、ルートくん」
ルッツにだけよそゆきの笑顔で挨拶して、蔑んだような目でこちらをチラリとみた後フイッと顔をそむけられた。
そのままクルリと方向転換してパタパタと急ぎ足に去る。
「チッ!」
舌打ちしつつも、ひるがえる短いスカートとチラチラみえる太ももから目が離せないのが悔しい。

隣の家に住んでいるエリザとは生まれた時からの付き合いだ。
子供の頃は毎日のように遊び回っていた。アイツが父親の戯言を本気にして自分を男だと思っていた頃のことだ。ケンカもたくさんしたし、殴りあったことも一度や二度ではすまない。お互いの部屋は窓越しに行き来できる位置にあったので秘密の話も散々した。
いつからだろう、そんな関係が消えてしまったのは。

アイツの髪が伸びて、制服がスカートになる。部屋の窓は閉ざされて久しい。殴りあうどころか、挨拶の言葉すら交わさなくなった。目が合いそうになると巧妙に逸らされる。そんな風に過ごしてきたここ数年。風の噂に聞いたところだとエリザは成績優秀、学級委員長としてクラス内をまとめ頼れるしっかり者として人気があり、所属する水泳部でも注目を浴びているらしい。容姿端麗、文武両道と男友達が騒いでいたのを何度か耳にした。
かたや俺は…
「おうおう、何しけたツラしとるん?」
「もしかしてまた前を歩くレディに無視されたのかなー?」
両脇から危うく転びそうな勢いで肩を掴まれる。クラスメイトのトーニョとフランシスだ。
「朝っぱらからうっせーな!!」
楽しそうな声で図星をつかれて苛立った。
「あー!!ルート、ルート!オレ、今日は寝坊せずに来れたよー!!」
「ふむ…偉いじゃないかフェリシアーノ」
学校が近づいてきたせいか周りに同じ制服を着たやつらが増えてきていた。
前を速足で歩いていたエリザも仲の良いリヒテンやベルと行き会ったらしく、笑いながら喋っていた。
「もういい加減諦めたらどうなのよ?」
「せやせや。向こうは学園のマドンナ、エリザちゃんやで。お前のことなんか相手にしとらんて」
「バカ!そんなんじゃねーよ!!」
「そんなんじゃねー奴はそんな顔しないと思うけどねー」
私立WW学園の2年生に進級して1カ月。色情魔のフランシスは何かと俺にエリザの話題を振ってくる。俺はエリザのことなんてひとっことも聞いてねえのによ。
ふざけてフランシスに蹴りを入れると「いったーい」と大げさな悲鳴。
「もうお兄さんの繊細な足を!!」
フランシスの振り回したカバンを避けたらトーニョの頭にゴスッとあたった。
「何すんねん!」
「ボーっとしてる方が悪いんだよ!」
ケセセと笑いながら校門を走り抜ける。
「オイ!お前ら校門前で騒ぐな!!」
「あーごめんな、手ェすべったわあ…」
挨拶強化月間というたすきを下げて校門にいた眉毛生徒会長をすれ違いざまにトーニョが張り飛ばす。
俺とフランシスはそれを見てバカ笑いした。
視界の端でエリザが振り向いてチラリと冷たい視線を向けたのがわかった。目線を合わせられない。
こういう冷え切った関係がずっと続くのかと思っていた。
この時までは。