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カカナルコ

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Honey My Honey



オレ、はたけカカシがうずまきナルトと運命の出会いを果たしたのは今を遡ること十二年、オレが十四歳のときのことだ。

あの日、里の大人たちをムシして先生のトコロに行ったオレ。
…オレが行った時には元気に泣いている赤子と、その子を庇うように倒れている先生とクシナさんの亡骸があるだけだった…

先生が死んだ。
両親が早くに他界したオレにとっての唯一の家族ともいえる存在の人が…
もちろん悲しくて…絶望的な気分にもなったが…
先生は命懸けで里を守り子を守り逝った。
父親に自害というカタチで先立たれたオレにとっては眩しくて…同じく親を亡くした先生の娘にとっては誇らしい父親なのだろうと思ったのと同時に、最後まで逃げなかった先生はオレにとっても誇らしかった。

…まぁそんな訳で
悲しかったけれども、前を向いて生きていこうと思えた。
それに、今生きている、先生たちが命を懸けて守ったこの子が一番大切だ。

ナルトと名付けられた女の子のこれからのコトは、アッチへコッチへ話がいきしたがどの案もどうも機械的に扱われそうな…

この世に生を受けてすぐ、九尾を封印されるわ両親は亡くすわ…ある意味すでに散々な目に遭っているこの子にはなるべく幸せになってほしい。

オレは、この子を引き取ることに決めた。
はっきり言わなくても無謀ではあった。
普通ならオレ自身が親の庇護下にいるハズの年齢なのだから…
コドモを育てるということに関して年齢的にも状況的にもムリはあったが、幸か不幸かエリート忍者であるオレには甲斐性だけはあった。

ゴタゴタの子育てになろうとも、孤児院に放り込まれるよりは、家族として接するオレの手で育てた方がいいハズだとも思えたし、オレに迷いはなかった。

それから、まぁ…色々揉め、スムーズの真逆状態が長期続いたが。

なんとか、三代目の後見を得てオレのもとに金色がやってきたわけであった。


【Honey My Honey】


「ナルト、どしたの??」
「…………」
「…また、何か言われたの?」

あれから今日で十年目。
里の中でも欠かせない存在になっていたオレの家族同然であるナルトに対し、表だって悪く言われたり迫害を受けたりすることはないけれど…やっぱり陰では何やかやと言われる訳で。

多くの人間の命日でもある今日、ナルトに強くあたる人がいつもより多かったみたいだ…

「…ナルト」


「……何て言われたの」
「死ね、とか。九尾がいるんだから寄るな、とか。…いつもの悪口だから…おれってば平気…」
「平気な訳ないでしょ、オレにまで強がらなくていーの」

悪く言われることに慣れはしても、傷付かないなんてことはあるハズないんだから。


「ねぇナルト」


「ナルトは誰よりも幸せに生きなきゃいけないんだよ??」

オレには伝える義務がある。

四代目夫婦が、夫婦と近しい者達が、どれほどまでにこの子の誕生を待ち望んでいたのかということ。

生きて生きて…笑っていてほしいと願ったこと。

「それがお前の両親と、オレがお前に望むこと」

そりゃ、里を守ってほしいという願いも確かに込められていたと思うけれど

いかに最高の忍と謳われた先生だって、最後に思ったのは親としての素直な願いであったハズ。

だからとりあえず笑ってよ。

「せっかくの誕生日にそんなカオしないの」
「たんじょうび……」
「そーだよ、オレ、ケーキ買ってきたんだから~先に一楽に行って…帰ったら二人で誕生会やろう??」
「……そうだってばね!!それから、とーちゃん達のお墓参りも!!」
「じゃあお花屋さんにも行かないと」
「うん!!」


今日この日だけはしんみりしちゃダメ。
先生が生きていたら、そりゃあ盛大にバースデーパーティーをしたであろうことは目に見えて分かるしね。



その夜、ナルトの夢の中に。
クラッカーとケーキといろんなモノをわんさかと両手に抱えた先生が現れたらしい。

『もぉ食えねってばよぉ…』

との寝言はラーメンかケーキか。
いずれにせよその寝顔は本日何度目かの幸せそうなモノで、オレもほっこりとした気持ちになった。


ハッピーバースデー、ナルト!!



※ ※ ※ ※ ※



「ところでさぁナルト」
「ん~???」

先程からウトウトとしているナルト。
"サンタさんへのオネガイゴト"は、こういう時に聞くに限る。
しっかり意識がある時に聞くとはぐらかされるのだから。

「サンタさんへのお願い事ってもう決めたの??」
「………」

(…あらら??)

起きて座り込んでしまった。
それもムスッとした顔で…

「……ナルトさん??」
「オネガイ、しないってばよ」
「えぇっ!!??」

何故だ。
例年通り、休みをもぎ取りカカシサンタになるつもりだったのに…!!

「なんで??サンタさん、用意しようとしてくれてるんじゃないかなぁ~」
「カカシ、去年の覚えてないってば!!?」
「………あ。」

去年のカカシサンタが届けたものは沢山の野菜だった…

「でも、国中のカップラーメン全種類(除メンマ入り)ってムチャなお願いもちゃ~んと聞いてくれたデショ??」

そう、大変だったものだ…
任務込みの旅路で、広い火の国の中の地方特産のカップラーメンまで入手するのは…

「それはそーだけどさー…野菜ってイラナイものまでついてきたもん。そのカップラーメンが食べたかったらコレ食べてってカカシってば野菜出すし。プラスマイナスゼロだったってば」
「サンタさんだって野菜食べてほしかったんだよ、ナルトにぃ~」
「とにかく、今年はサンタさんには頼まないの!!」

カカシはガックリと項垂れた。
二十四日の夜中にこっそりとナルトの枕元にプレゼントを置いてやるのは密かな楽しみでもあったのに…
"サンタさんへの手紙"なるものが置いてあったりもして。(ちなみにその手紙は箱に入れてカカシの私室の床下深くにしまってある)

「じゃ、今年は欲しいモノないの??」
「あるってばよ??でもなぁ~」
「この一年、頑張って野菜食べたし今年はそーいうノルマはないかもよ??」
「んー…じゃあカップラーメン一年分頼んでも大丈夫かなぁ??」
「…………まぁいいんジャナイ……」


はたけカカシ、今年も本日よりしばらくラーメン集めに精を出すことが決定した瞬間だった。




二十四日、クリスマスイブ。
アカデミーではサンタクロースを信じるピュアな子達と悟ってしまった子達がそれぞれ盛り上がっていた。



「今年はパパにお人形(ブ●イス的な)買ってもらうのよ~私」
「私はやっぱり服!!」

例によっていのとサクラが教室を喧しくしていた。
…とそこにナルト乱入。

「二人ともサンタさんからは貰わないの??」

一瞬、二人は顔を見合わせた。

「やだ、ナルトってばアンタまだ「ちょっといの!!」」
「??」
「ナルト、ほらアレよ…ソレとはまた別に貰うのよ!あんたもあの上忍さんに毎年貰ってるじゃない??」
「あぁ、そういう話だったってばねー」



(サクラ??)
(自然に気付くのは仕方ないとして、信じてるコにあえてバラす必要もないでしょ??この方がカワイイし)
(それもそぉかもね~)
作品名:カカナルコ 作家名:ゆぅゆ