宇宙刑事ギャバンStrikerS
プロローグ
無限に広がる大宇宙・・・私たちの住む母なる地球は、この広い宇宙の中にあります。そして、この宇宙の中には、地球以外にも、文明の発達した知的生命体が、数多くいるのです・・・
今から遡ること約30年前、地球を植民地にしようと企んだ宇宙犯罪組織マクーに、敢然と立ち上がった一人の戦士がいました。その名は、宇宙刑事ギャバン。彼は、地球から5光年離れた距離にあるバード星に本部を置く銀河連邦警察の宇宙刑事で、バード星人と地球人の間に生まれた混血児である。彼は、母の故郷、そして自分の生まれ故郷を守るために、マクーと壮絶な死闘を繰り広げました。そして死闘の末、ついにマクーの首領ドン・ホラーを倒し、地球をマクーの魔の手から救ったのです。
あれから、30年以上の月日が流れ、宇宙刑事ギャバンは、伝説の英雄として、その名は銀河系全ての惑星で語り継がれているのです・・・
*
とある宇宙空間、その中を航行する1隻の宇宙船、宇宙船には、銀河連邦警察の超次元戦闘母艦を示すシルエットが付けられていた。それを操縦する一人の男性。
そう、彼こそ、かつて地球を舞台に、宇宙犯罪組織マクーと壮絶な死闘を繰り広げた。伝説の宇宙刑事、ギャバンである。そして、彼が操縦している艦は、マクーとの戦いからずっと使っている超次元高速機ドルギランである。
彼は、地球でのアシュラーダ事件の事後処理の後、自身が隊長を務める銀河パトロール隊に復帰、隊長として、平和な日々を過ごしていたのだ。
ギャバンがここにいる理由は、最近この宙域で次元の歪みが何度も観測されていて、その調査のために、ギャバンが特命で派遣されたのだ。ドルギランは、歪みの観測地点で静止した。
「ここだな。最近次元の歪みが観測されている場所は」
そう言うとギャバンは、ドルギランの観測用ソナーを起動した。
ドルギランに内蔵されている観測用ソナーは、1000km先に落ちた針の音をも聞き取れる高性能ソナーで、少しの異常も逃がさない・・・筈だった。
「ん?何だあれは?」
突如、ドルギランの目の前に現れた謎の黒い点、点は徐々に拡大し、渦巻き状になった。それと同時に、ソナーが次元の歪みをあの渦巻きからキャッチした。それを見たギャバンはある結論を出した。
「まずい!ワームホールだ!」
ワームホールとは、時空の歪みで発生する空間領域である。科学的に発生することも可能だが、自然的に発生したワームホールは、ブラックホールと同じくらいの危険性があるのだ。
ギャバンは、慌ててドルギランのエンジンを起動させたが、時すでに遅かった。
「くっ!吸い込まれる!」
ギャバンを乗せたドルギランは、ワームホールに吸い込まれてしまった。ドルギランを吸い込んだワームホールは、その後消滅した。
・・・この日、伝説の宇宙刑事ギャバンは、この世界から姿を消した。
作品名:宇宙刑事ギャバンStrikerS 作家名:ピカリーノ0000