宇宙刑事ギャバンStrikerS
第1話 遭遇
ミッドチルダ 廃棄都市区画
「うう・・・此処は一体・・・」
目が覚めたギャバンは、辺りを見渡した。
「おかしい、俺は確かドルギランの中にいた筈なのに・・・」
首を傾げるギャバン。その時、体に違和感を覚えた。
「って、何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
近くにあった鏡の破片を見たギャバンは驚いた。そこに映っていた顔は、30年前の自分だったのだ。
「あのワームホールのせいでこうなっちまったのか?」
そんなことを考えながら、右腕に付けている腕時計型の端末を起動させようとした、その時!
ジャキン!ジャキン!
突然、謎の機械音がギャバンの耳にとどいた。
「ん?何だこの音は?」
ギャバンが前を見ると、人型のロボット3体が銃を構えて現れた。
「何だこいつ等!?」
驚くギャバンを余所に、ロボットはギャバンに向けて発砲した!
「っ!チュウッ!」
それに感づいたギャバンは、ローリングで弾を避けた。
「マクーじゃ無さそうだが、むやみに人に対して発砲する奴を見過ごすわけにはいかん!チュウッ!」
そう言うとギャバンは、高台にジャンプした。
「蒸着!」
ギャバンが叫んだ瞬間、銀色に輝くコンバットスーツがギャバンを包み込んだ!
「宇宙刑事!ギャバン!」
コンバットスーツに包まれたギャバンは、ポーズを決めながら名乗りを上げた。
宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0,05秒に過ぎない!では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!
「蒸着!」
ギャバンが蒸着ポーズをとると、それは直ちに亜空間内で待機しているドルギランに伝わる。
〔了解!コンバットスーツ、電送シマス!〕
そして、ドルギランから粒子状に分解されたコンバットスーツが電送され、粒子状になったコンバットスーツは、ギャバンの体に吹き付けられるようにスーツを構成し、ギャバンに、蒸着されるのだ!
「いくぞ!チュウッ!」
ギャバンはそう言うと、ロボットの前に降り立った。
「・・・!!」
ロボット兵は銃口をギャバンに向ける。
「ふん!」
だがギャバンは銃身を握ると、バレルをグニャリと曲げた。
「!!!!」
驚くロボット兵を余所に、ギャバンはポーズを取りながら、右手を突き出した。
「レーザー!Zビーム!」
突き出した右手から放たれるレーザーZビームはロボット兵3機全てに直撃し、3機全てを爆散させた。
「おいおい、いきなり攻撃してきたわりには弱すぎるぞ。まるでマクーのクラッシャー級だな」
すると
「止まってください!」
突然、背後から声がした。振り向くとそこには、オレンジ色の髪の少女が銃を構えていた。その横には、蒼い髪の少女がいた。
「(どうしてこんな場所に女の子が?)」
ギャバンは少女に近づこうとしたら
「動かないでください!」
少女から拒否された。どうやらギャバンにたいして警戒心があるようだ。
「(どうやら警戒されてるなこりゃ)」
そう思うと、ギャバンはコンバットスーツを解除した。コンバットスーツが解除されたことに驚いた二人だったが、直様持ち直した。
「時空管理局、古代遺物管理部機動六課の者です。事情を聞きたいのでこちらに同行してください」
一気に訳の判らない言葉が現れた。時空管理局?機動六課?ギャバンは少女に質問した。
「なぁ、嬢ちゃん。時空管理局って何だ?」
「時空管理局をご存じない・・・?」
これを聞いた2人は、念話で会話をしていた。
『ティア、もしかして・・・』
『あなたの思ったとおり、次元漂流者かもしれないわね。念のために、確認はするわ』
「あの・・・魔導師、ジェイル・スカリエッティ、レリック、この三つの言葉に聞き覚えは?」
「嫌、聞いたことが無いな」
「・・・確認の結果、貴方は次元漂流者と認定します」
「は?次元漂流者?何だそりゃ?」
ここでいままで黙っていた蒼い髪の少女が喋り始めた。
「簡単に言えば迷子のスケールがでかくなったものです」
「じゃあ、俺のような迷子はその時空管理局って言う場所に保護されるのか?」
「はい。そうなりますので、私たちに同行してください」
ギャバンは少し考えたが、直答えを出した。
「うし!お安い御用だ!いいぜ!」
この時まだギャバンは気づいていなかった。この出会いが、新たなる戦いの始まりだということを!蒸着せよ!宇宙刑事ギャバン!
次回予告
スバルとティアナと共に六課隊舎に向かうギャバン。そこで待っていたのは、烈火の将との模擬戦だった。烈火の将の剣とギャバンのレーザーブレードが、火花を散らす!蒸着せよ!宇宙刑事ギャバン!次回『烈火の死闘』お楽しみに
作品名:宇宙刑事ギャバンStrikerS 作家名:ピカリーノ0000