宇宙刑事ギャバンStrikerS
彼女の名は高町なのは。機動六課スターズ分隊分隊長にして管理局の若き教導官。局員からは『不屈のエースオブエース』と言われている。その反面、怒らせると泣く子も黙る『O☆HA☆NA☆SHI』が待っている。怒らせるとコワ~イお人。
「ああなのはちゃん。今日の訓練終わったんか?」
「うん。その人がスバルの言っていた一条寺烈さん?」
「俺のこと知ってんの!?てか誰?」
急に見知らぬ人が自分のことを知っていることに烈は驚きを隠せなかった。
「そういえば自己紹介がまだでしたね。スターズ分隊分隊長の高町なのは教導官一等空尉です」
「銀河連邦警察銀河パトロール隊の宇宙刑事ギャバンだ。ま、この姿の時は一条寺烈ってよんでくれ!」
にゃはは、と苦笑いするなのは。すると、
「あ!烈さ~ん!」
なのはの後から聞き覚えのある声が聞こえた。声を出したのはスバルだった。その後ろにティアナと子供2名がいた。
前述で話したとおり、スバルとティアナは、機動六課のフォワード陣の1人である。フォワード陣とは、機動六課の隊長陣と共に前線で活躍する部隊で、新人だけで編成されている。これには、管理局の魔導師不足が原因であるが、新人だと思って甘くなってはいけない。新人である事は確かだが、その実力はほぼ1流と見ていいだろう。
「エリオ・モンディアルです!よろしくお願いします!」
「キャロ・ル・ルシエです!そしてこの子はフリードリヒです。よろしくお願いします!」
「キュクルー」
フリードを見た烈はその場に駆け寄った。
「お!この世界はドラゴンがいるのか!まるでSFとファンタジーが融合した世界だぜ!」
烈の世界には、ドラゴンに似た生物は銀河中にいたが、本物のドラゴンはいなかったので、烈は興奮した。その時、
「あ、はやて。此処にいたんだ」
今度は金髪の女性が現れた。
「あ、フェイトちゃん。どうやったか?烈さんの世界は見つかったか?」
どうやらはやては、烈の説明から、いくつかのキーワードを抜き取り、その女性に調べさせていたのだ。だが結果は
「残念だけど、烈さんの世界は見つからなかった」
不発だった。そこに烈が割り込んできた。
「おい。若さって何だ?」
「え?若さ?」
何だろう・・・可愛い事?女性は、烈の突然の質問に戸惑っていた。それを見た烈は、ある答えを言った。
「振り向かないことさ!」
「振り向かないこと?」
「若いんならくよくよせずに、ただ真っ直ぐ、振り向かずに行くもんさ!」
説得力が有るのか無いのか意味不明だが、女性には何かがジンときたようだ。
「あ、あの・・・貴方は」
「俺は一条寺烈!又の名を、宇宙刑事ギャバン!お前の名は?」
「フェイト。フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。フェイトってよんでください」
「おう!宜しくな!」
「あー、オホン。御二方、そろそろ良いですか?」
はやてが咳払いして首を突っ込む。そして、かれこれ数分後。烈は訓練施設に着いた。
*
烈は廃墟の中にいた。実を言うと、これは六課の訓練用ホログラムで、まるで現物がそのまま転送されたかのようなリアルさを徹底的に追求したホログラムなのだ。
「こいつぁすげ~。この技術をバード星に持ち帰りてぇな」
その烈の様子を、なのは達は観賞用のスペースで見ていた。
「ねぇエリオ君。スバルさんやティアナさんの言っていた‘‘コンバットスーツ’’ってなんだろう?」
「僕も判らないけど、多分バリアジャケットの1種じゃないのかな」
エリオとキャロは、スバルやティアナから聞いたコンバットスーツについて話し合い
「フェイトちゃん。確かはやてちゃんの話が本当なら一条寺さんって50歳位のおじさんだよね?」
「うん。だけどどう見ても私達と同じくらいの人に見えるね。どうしてなんだろう?」
なのはとフェイトは烈の年齢について話し合っていた。
「なあはやて」
「ん?どうしたんやヴィータ?」
はやての隣にいた外見年齢8歳の少女、ヴィータがはやてに話しかけた。
「あの一条寺っての、大丈夫か?いきなりシグナムと模擬戦なんて、自殺行為だぜ」
「ヴィータちゃん。一条寺さんは、うちらとは違う力を持っているんや」
「「「「「?」」」」」
はやての言葉にその場にいたスバルとティアナを除く全員が首をかしげた。
『一条寺さん。準備はええか』
「おう!」
そう言うとギャバンは、高台にジャンプした。
「蒸着!」
烈が叫んだ瞬間、銀色に輝くコンバットスーツが烈を包み込んだ!
「宇宙刑事!ギャバン!」
コンバットスーツを着た烈は、ポーズを決めながら、名乗りを上げた。
宇宙刑事ギャバンが、コンバットスーツを蒸着するタイムは、僅か0,05秒に過ぎない!では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!
「蒸着!」
烈が蒸着ポーズを取ると、それは直ちに亜空間内で待機しているドルギランに伝わる。
〔了解!コンバットスーツ、電送シマス!〕
そして、ドルギランから粒子状に分解されたコンバットスーツが電送され、粒子状になったコンバットスーツは、ギャバンの体に吹き付けられるようにスーツを構成し、ギャバンに蒸着されるのだ!
「「「あれがコンバットスーツ・・・」」」
「「か、かっこいい!」」
コンバットスーツを見た反応はそれぞれだが、模擬戦の相手であるシグナムは、どちらかというとギャバンの強さが気になっていた。
『では、始め!』
はやての号令がなる。戦いのゴングが今、鳴った。
「はあああ!」
最初に攻撃をかけてきたのはシグナムだった。彼女は愛剣、レヴァンテインでギャバンに切りかかってきた。
「チュウッ!」
ギャバンは、それをジャンプで回避した。
「なるほど、剣を使うか。なら、こっちもだ!」
そう言うとギャバンは、片手持ちの必殺剣、レーザーブレードを取り出した。
「ほう、お前も剣を使うのか。面白い!」
シグナムは、再度ギャバンに突っ込んだ。
「チュウッ!ハァッ!」
両者とも譲らない剣撃。お互い剣の使い手であるが故、こういった勝負は長期戦になる。それを見ている隊長陣とフォワード陣は呆然としていた。
「あ、あのシグナム副隊長と互角に戦っている・・・」
「つ、強い・・・(戦いたい)」
否、若干1名は違った反応をしていた。
そんな中、シグナムに動きがあった。距離をとったのだ。ギャバンは何かあるとみて様子を見た。するとシグナムはレヴァンテインを鞘に戻し、そこから弾薬の薬莢みたいなものが排出される。
そして鞘から抜き出されると、レヴァンテインの刃が弓の形をした連結剣になった。
「飛竜、一閃!」
「っ!?チュウッ!」
ギャバンはその一撃を避けたが、その衝撃は凄まじく、危うく吹っ飛ばされるところだった。だが、見てるだけのギャバンではない。その一撃を回避して間もなく、ポーズを決めながら、右手を突き出した。
「レーザー!Zビーム!」
突き出した右手からレーザーZビームがシグナムに向けて放たれた。
「ふん!」
作品名:宇宙刑事ギャバンStrikerS 作家名:ピカリーノ0000