Sore/nante Fate
十年前
今は昔、冬木の街でちょっと大きな災害・・・火事が有った。
その家事で俺は身の回りの物を全て失った。
何も持たない存在になった。
あたりの住人は皆焼死した。
そんな中、奇跡的にも俺ひとりが生き残り、燃え盛る炎の中から救出された。
そして、俺は俺の救い出した人物に身元を引き取られ・・・・・・・・・
第一話 こんな士郎がいたって良いじゃない。
現在――遠坂 凛は落下中である。
耳からは風を切る音がし、履いているスカートは良い感じに捲れている。
死ねるには丁度良い高さ。
9.8m/s2のスピードで彼女は重力加速する。
これはつまり対処が遅れれば遅れる程、対応する策が減っていく事を意味する。
キッと目を瞑り意識を集中する、自身の体内にある魔術回路を起動。
「Es ist gros, Es ist klein・・・・・・(軽量、重圧)―――
実戦で使う初めての魔術、強張る体。唇を噛み、叱咤する。
魔力は迸り、鳴ってもいない体を軋ませる音が耳に着く。
みるみるうちに近づいてくる地上。
巨大な壁が向こうから迫ってくるかのような錯覚を覚える。
「vox Gott Es Atlas――――(戒律引用、重葬は地に還る)――!
魔術師である私に出来る事はここまで。
それは少しでも加速を減らし、体と、彼の負担を減らす事。
後は―――。私の使い魔であるサーヴァントの仕事だ。
私はアーチャーに対して絶対的信頼を抱いていた。
それは今日一日共に過ごし、分かった事があるからだ。
私は彼に関しての情報は真名すらも分かっていない。
性格に至っては憎まれ口や屁理屈を、マスターである私に平気で言うひねくれ者。
ただ――。今まで彼は憎まれ口を叩きながらも最後には必ず結果を残していた。
彼のその不敬な態度は、彼なりの忠誠の示し方なのかもしれない。
少し、いや少々―――買いかぶり過ぎたかしら。
コンマ一秒程の思考は胸に秘める。
それは私にとって、とても珍しい事だから。
私は、胸を張り、高々と、告げる!!
「アーチャー!着地任せた……!!」
「え?」
私は地面に激突した。
・・・・・・。
「本当に買いかぶりだったわよ!!このおたんこなす!!馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿!!」
「凛、正直。済まなかったと思っている。」
深夜の学校の校庭。
従者を正座させ謝罪を求める主の姿がそこに有った。
「返して!私の一日を返して!!」
心なしか彼女の瞳には涙が浮かんでいる用に見える。
否、浮かんでいる。
「その前に凛。一つ質問をしても良いかね?」
立ち上がりながら言葉をしゃべる。
「なによ」
若干の涙目で自分より背が高い従者を見上げる。
「私は地面が人型に凹むのを始めて見た。君はコンクリートより硬いのか。」
涙は吹き飛んだ。
「あ ん た が 着地を手伝わなかったから宝石を使ったのよ!!」
「・・・・・・」
「どーすんのよ!お父様に貰った家宝を咄嗟に使っちゃったじゃないの!!」
「・・・・・・計画通り(ボソッ)」
「なんか言った!?」
「おいおい嬢ちゃん達、何時まで漫才を続けているつもりだ?」
「!?」
突如、目に見える殺気が私たちを覆う。
押さえていた震えが少しずつ表面に出てくる。
いつの間にかアーチャーは、私を庇える位置へと移動していた。
両手に白と黒の剣を出現させ、不敵な笑みを浮かべている。
私はそれが非常に腹に立った。
彼が手にしているのは紅い槍、私がコンマ数秒でもアーチャーのそばを離れればそれは一瞬で私の心臓を穿つだろう。
覚悟はしているつもりだったけど、震えが止まらない。
そんな私を気遣ってなのか、憎たらしい私のサーヴァントは静かに前に歩みを進める。
「大丈夫か凛。何、私は君が呼んだサーヴァントだ。畏れる事は何も無い。」
「なによ、汚名返上のつもり?」
先ほどの醜態を見られた事が気恥ずかしく、強めに言ってしまう。
「やれやれ、マスターが優秀なのも考え物だな、口だけでは信用できないと見る。」
やれやれと彼は大げさに肩をすくませる
気がつくと震えは止まっていた。
「それが嫌なら早く結果を見せなさい、せいぜい私を失望させない事ね。」
私はそれに笑顔で答える。
「手加減はいらないわ。あなたの力、ここで見せてアーチャー」
「たわけ………、弓兵風情が剣で勝負を挑んだな―――――!!」
そして、戦いは始ま らなかった。
パリーン がらがら、 パン(ガラスの割れる音。)
「きいえええええええええ!うぴょおおおおおおひひひひ!」(奇声)
一同「………」
「うららららららら!しゅっぽーーーー!!…って何だてめぇらは!こんな夜遅くの校庭で何やってやがる!」
「「「それはこっちのセリフだ!!」」」
……………………。
…………。
俺は無意識に警戒網を張り巡らしている。
それはこの世界で生き残る為に身につけた力、技能。
俺は天才なんかでは無い。
これは殺気を持った物の侵入を教えてくれる。
水の中に一滴垂らした油のように明確に分かりやすく。
机に突伏するように寝ていた身体をがばっと起こし叫ぶ。
対象は後ろに立つ何か。
衛宮士郎は本気の殺気を込めて警告を発する。
「俺の後ろに立つなぁぁああああああああああああああ!!」
……。
返事は無い。
「一体何の目的で俺に近づいた。」
懐に忍ばした手にナイフを投影する。
鏡の用に綺麗に磨かれたナイフを使い、悟られないよう後ろを盗み見る。
が。
「な、誰もいないだと!?俺が気配の読み間違いをしたとでも言うのか!!」
警戒の網を広げる、ピザの生地のように薄く広く、何かが居れば直ぐに判るように。
「校内に…何か居る…。」
その気配は余りにも強大だった、強大だった故に後ろにいると錯覚してしまった。
「は、ははは、おもしれえ!何処だ!何処にいる!」
叫びながら廊下に出る。
校舎を適当に走り回るが異状は無い。
窓から身を乗り出し、外を見回しても見当たらない。
「ち、畜生、何処にいるんだよぉ!」
ジタバタ ジタバタ
「でてこないとやだぁ~~~」
ばたばた じたばた
「ふう、取り乱したか…。」
今までの人生で一番恥ずかしい事をした気がする。
「ふむ、これからどうするか。」
地面に正座し考え込む。
そもそも俺は何で深夜の学校にいるのだろうか。
覚えている限り、最後の記憶を思い出す。
・・・・・・。
「なんてこった、朝のホームルームから記憶がない!?」
ま、まさか…マインドコントロール!?
敵!?殺される!?拉致? うあああああああ
「う、うわああああああああああああああああ!。」
近くにあった机に手を伸ばし強化をかける。
「同調、開始ンんんんん!」
「構成材質、解明」
「構成材質、補強」
「――――全工程、完了!!」
手には強化された机。
「に、逃げないと、夜の学校こわいよぉ」
今は昔、冬木の街でちょっと大きな災害・・・火事が有った。
その家事で俺は身の回りの物を全て失った。
何も持たない存在になった。
あたりの住人は皆焼死した。
そんな中、奇跡的にも俺ひとりが生き残り、燃え盛る炎の中から救出された。
そして、俺は俺の救い出した人物に身元を引き取られ・・・・・・・・・
第一話 こんな士郎がいたって良いじゃない。
現在――遠坂 凛は落下中である。
耳からは風を切る音がし、履いているスカートは良い感じに捲れている。
死ねるには丁度良い高さ。
9.8m/s2のスピードで彼女は重力加速する。
これはつまり対処が遅れれば遅れる程、対応する策が減っていく事を意味する。
キッと目を瞑り意識を集中する、自身の体内にある魔術回路を起動。
「Es ist gros, Es ist klein・・・・・・(軽量、重圧)―――
実戦で使う初めての魔術、強張る体。唇を噛み、叱咤する。
魔力は迸り、鳴ってもいない体を軋ませる音が耳に着く。
みるみるうちに近づいてくる地上。
巨大な壁が向こうから迫ってくるかのような錯覚を覚える。
「vox Gott Es Atlas――――(戒律引用、重葬は地に還る)――!
魔術師である私に出来る事はここまで。
それは少しでも加速を減らし、体と、彼の負担を減らす事。
後は―――。私の使い魔であるサーヴァントの仕事だ。
私はアーチャーに対して絶対的信頼を抱いていた。
それは今日一日共に過ごし、分かった事があるからだ。
私は彼に関しての情報は真名すらも分かっていない。
性格に至っては憎まれ口や屁理屈を、マスターである私に平気で言うひねくれ者。
ただ――。今まで彼は憎まれ口を叩きながらも最後には必ず結果を残していた。
彼のその不敬な態度は、彼なりの忠誠の示し方なのかもしれない。
少し、いや少々―――買いかぶり過ぎたかしら。
コンマ一秒程の思考は胸に秘める。
それは私にとって、とても珍しい事だから。
私は、胸を張り、高々と、告げる!!
「アーチャー!着地任せた……!!」
「え?」
私は地面に激突した。
・・・・・・。
「本当に買いかぶりだったわよ!!このおたんこなす!!馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿!!」
「凛、正直。済まなかったと思っている。」
深夜の学校の校庭。
従者を正座させ謝罪を求める主の姿がそこに有った。
「返して!私の一日を返して!!」
心なしか彼女の瞳には涙が浮かんでいる用に見える。
否、浮かんでいる。
「その前に凛。一つ質問をしても良いかね?」
立ち上がりながら言葉をしゃべる。
「なによ」
若干の涙目で自分より背が高い従者を見上げる。
「私は地面が人型に凹むのを始めて見た。君はコンクリートより硬いのか。」
涙は吹き飛んだ。
「あ ん た が 着地を手伝わなかったから宝石を使ったのよ!!」
「・・・・・・」
「どーすんのよ!お父様に貰った家宝を咄嗟に使っちゃったじゃないの!!」
「・・・・・・計画通り(ボソッ)」
「なんか言った!?」
「おいおい嬢ちゃん達、何時まで漫才を続けているつもりだ?」
「!?」
突如、目に見える殺気が私たちを覆う。
押さえていた震えが少しずつ表面に出てくる。
いつの間にかアーチャーは、私を庇える位置へと移動していた。
両手に白と黒の剣を出現させ、不敵な笑みを浮かべている。
私はそれが非常に腹に立った。
彼が手にしているのは紅い槍、私がコンマ数秒でもアーチャーのそばを離れればそれは一瞬で私の心臓を穿つだろう。
覚悟はしているつもりだったけど、震えが止まらない。
そんな私を気遣ってなのか、憎たらしい私のサーヴァントは静かに前に歩みを進める。
「大丈夫か凛。何、私は君が呼んだサーヴァントだ。畏れる事は何も無い。」
「なによ、汚名返上のつもり?」
先ほどの醜態を見られた事が気恥ずかしく、強めに言ってしまう。
「やれやれ、マスターが優秀なのも考え物だな、口だけでは信用できないと見る。」
やれやれと彼は大げさに肩をすくませる
気がつくと震えは止まっていた。
「それが嫌なら早く結果を見せなさい、せいぜい私を失望させない事ね。」
私はそれに笑顔で答える。
「手加減はいらないわ。あなたの力、ここで見せてアーチャー」
「たわけ………、弓兵風情が剣で勝負を挑んだな―――――!!」
そして、戦いは始ま らなかった。
パリーン がらがら、 パン(ガラスの割れる音。)
「きいえええええええええ!うぴょおおおおおおひひひひ!」(奇声)
一同「………」
「うららららららら!しゅっぽーーーー!!…って何だてめぇらは!こんな夜遅くの校庭で何やってやがる!」
「「「それはこっちのセリフだ!!」」」
……………………。
…………。
俺は無意識に警戒網を張り巡らしている。
それはこの世界で生き残る為に身につけた力、技能。
俺は天才なんかでは無い。
これは殺気を持った物の侵入を教えてくれる。
水の中に一滴垂らした油のように明確に分かりやすく。
机に突伏するように寝ていた身体をがばっと起こし叫ぶ。
対象は後ろに立つ何か。
衛宮士郎は本気の殺気を込めて警告を発する。
「俺の後ろに立つなぁぁああああああああああああああ!!」
……。
返事は無い。
「一体何の目的で俺に近づいた。」
懐に忍ばした手にナイフを投影する。
鏡の用に綺麗に磨かれたナイフを使い、悟られないよう後ろを盗み見る。
が。
「な、誰もいないだと!?俺が気配の読み間違いをしたとでも言うのか!!」
警戒の網を広げる、ピザの生地のように薄く広く、何かが居れば直ぐに判るように。
「校内に…何か居る…。」
その気配は余りにも強大だった、強大だった故に後ろにいると錯覚してしまった。
「は、ははは、おもしれえ!何処だ!何処にいる!」
叫びながら廊下に出る。
校舎を適当に走り回るが異状は無い。
窓から身を乗り出し、外を見回しても見当たらない。
「ち、畜生、何処にいるんだよぉ!」
ジタバタ ジタバタ
「でてこないとやだぁ~~~」
ばたばた じたばた
「ふう、取り乱したか…。」
今までの人生で一番恥ずかしい事をした気がする。
「ふむ、これからどうするか。」
地面に正座し考え込む。
そもそも俺は何で深夜の学校にいるのだろうか。
覚えている限り、最後の記憶を思い出す。
・・・・・・。
「なんてこった、朝のホームルームから記憶がない!?」
ま、まさか…マインドコントロール!?
敵!?殺される!?拉致? うあああああああ
「う、うわああああああああああああああああ!。」
近くにあった机に手を伸ばし強化をかける。
「同調、開始ンんんんん!」
「構成材質、解明」
「構成材質、補強」
「――――全工程、完了!!」
手には強化された机。
「に、逃げないと、夜の学校こわいよぉ」
作品名:Sore/nante Fate 作家名:mo