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Sore/nante Fate

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「問おう。 貴方が、私のマスターか――」

先ほど、少女は確かにそう言った。

声が出なかった、別に混乱していた訳ではない。
ただ、目の前の少女があまりにも綺麗すぎて言葉を失っていたのだ。

(何言ってんだこいつ)良いおっぱいしてるな~(心の声)

「…………。」

俺はゆっくりと、突然目の間に現れた少女に目を向ける。
少女は宝石のような瞳で、なんの感情もなく俺を見据える。

気がつけば俺は少女にガンを飛ばしていた。

(あぁあん?あ・あ・あぁああん?)

『マスター』

そんな事は露知らず。
少女は何食わぬ顔で俺に声を掛ける。

(ん、マスター?)

問われた言葉を脳内で言葉にし、反復する。
彼女が何を言っているのか、そもそも何者なのかも分からない。

分かっている事はただ一つ

それは、そこにおぱーいが有る事だけ

・・・・・・俺は
おっぱい最高だぜ!おっぱいおっぱい(心の声)

何もできない―――――
「ふぃぃぃぃっしゅ!」

俺はおっぱいを揉んでいた・

「なっ」

少女の目が驚愕に見開く。

「黙れ」

もみもみ

「ま、マスター、一体何を!?」

「うるさい、喋るな。」

もみもみ

「ん、あ、はぁ…や。やめっ。」

「なんだ、乳首がたって来てるじゃねえか」

もみもみ

「そんなことは…ふぁ、断じて!、ひぅ、ありません!!」

「おらおら、下の口はもう濡れてるぜ?」




「あの、マスター。先ほどから一人で何を呟いてるのでしょうか?」

「自分との葛藤だ!!」


………
……





先ほどまで体を占めていた謎の空間はどこぞに消えていた。

「そうですか、それでは。サーヴァントセイバー、召喚に従い参上した。マスター指示を」

セイバーという響きを耳にした瞬間、右手に激痛が走った、無理やり異物を混入させられたような、そんな痛み、耐えられない痛みではないので我慢する。

それが合図だったのか、少女は静かに、可憐な顔をうなずかせた。

「これより我が剣は貴方と共にあり、貴方の運命は私と共にある、ここに、契約は完了した」

「俺は契約なんてした覚えは無いんだが。」

俺の言葉をシカトしたのか、少女はうなずいた時と同じ優雅さで顔を背ける。

「っ!」

向いた先は外への扉。
その奥には遠坂凛が赤い男と立っていた、遠坂からはなんか黒いオーラが迸っている。

騎士風の少女は、ためらう事なくここから外へと身を躍らせる。

響く剣劇。月は雲に隠れ、庭はもとの闇に戻っている。その中で花火を散らす鋼と鋼。
飛び出した少女に、赤い男は無言で襲いかかった。少女は黒剣を一撃で払いのけ、更に繰り出される白剣をはじき、その度、赤い男は高麗を余儀なくされる。

信じ、られない
セイバーと名乗った少女は、間違いなくあの男を圧倒していた。

遠坂は赤い男側の人間だったのか、俺がさらっちまったような感じだし、まあ襲われても文句は言えなかったか。

とりあえずセイバーと名乗った少女、俺の味方って事で良いのか?

遠坂と俺はお互いに見つめ合う。
お互い黙りん子なのは嫌だから俺から口を開く。

「さっきはいきなり気絶させてすまんかったな。」

当たり障りのない話題から入るのがナンパの基本だ。

「事情は大体アーチャーに聞いたわ、まさか私が格闘戦で遅れをとるとはね。」

いまだに信じられないのか俺に攻撃された場所をさすっている。
そして遠坂は静かに構えをとった。

「ほう」

あれは、名前は忘れたが中国系の武術だな。

「一発は一発よ。」

にやりと笑う。

「っは、ただの女が俺に勝てると思ってんのか?」

俺は不敵に笑い、ズボンから光りモノを取り出すふりをして投影。

コンバットナイフ

刃渡りは二十センチ弱。

「武器使うの!?」

「俺男女差別はしない主義なんだ」

俺はにやりと歯をこぼす。

「それ全く関係ないから!!」

遠坂の額からぽたりと汗が落ちる。

「クククッ」

「そっちがそうなら私だって武器使うんだからね」

懐から宝石を数個取り出し指に挟め遠坂戦闘スタイルを取る。

「っち。これだから糞女は」

「男女差別してるじゃないのよ!!」

つっこまれちゃった。

「はぁはぁ、それに前々から思っていたけど、衛宮くん、隙がないわね。」

「隙だらけの人生ってよく言われるぜ?」

「人生とは関係ないんじゃないかしら?」

「多少武術を嗜んでいたら誰でもこんなもんだ。」

「……。」

納得いかないという視線をひしひしと感じる。

「まあこんな馬鹿な事してないで、色々説明してほしい事があるんだけど良いか?」

コンバットナイフをしまう。

「あら奇遇ね、私も衛宮くんから話を聞きたいと思っていた所なの。」

遠坂凛は構えを解く。
余裕を取り戻したのか、とんでもなく極上の笑顔で迫ってきた。


~話し合い中~

「かくかく」

「しかじか」

………
……


「そう、つまり貴方は魔術使いで。聖杯戦争には巻き込まれただけだと。」

「ああ。」

「ふうん。つまり、素人のマスターさんって事ね。」

丁寧なくせにとげとげしい声でしゃべるのやめてくれませんか…。

「ふん、凛。敬語なんて使う必要はない。」

振り向いた先には赤い男と、それを押しのけて前に出ようとするセイバーがいた。

「おのれアーチャー!マスターに近づくな!」

「セイバー、どうやら我々のマスターは休戦しているようだ。ならばサーヴァントである私たちもそれに倣うのが道理だろう。」

「む、確かに…しかし…それでは。」

むぬぬぬぬぬとアーチャーを警戒して剣を納めないでいるセイバー。


遠坂は俺たちを一瞥して、アーチャーに話しかける。

「アーチャー、悪いけどしばらく霊体になっててもらえる?私、ちょっと頭にきたから」

「言葉の通りよ。腹いせに現状を思い知らせてやらないと気が済まなくなったの。それまで貴方の出番はないから消えていて。貴方がいたらセイバーだって剣を納められないでしょ」

「ふう、また難儀なことを。まあ命令とあらば従うだけだが・・・・一つ忠告すると、君は余分な事をしようとしているぞ」

男は、それこそ幻のように消え去った。

「イリュージョン!?」

「霊体に戻っただけよ。いいから話は中でしましょ。どうせ何も判ってないんでしょ?衛宮くんは。安心して、嫌だと言っても全部教えてあげるから」

さらりと言って、遠坂はずんずん門へ歩いて行った。

「おい、待て」

思わず呼びとめる。

振り向いた遠坂の顔は、さっきの笑顔とは別物だった。

「バカね、色々考えてるわよ。だから話をしようって言ってるんじゃない。
衛宮くん、突然の事態に驚くのもいいけど、素直に認めないと命取りって時もあるのよ。」

「あぁ~~~?」

ガンを飛ばす、首をくねくねさせながら近づくのがポイントだ。

「あんたもう少し普通にしゃべれないの?敬語を使いなさいとは言わないけれど。」

スルーされた…

「面倒、ぐちぐち細かいこと言うな、かったりぃ」

土蔵の壁に思いっきり背中を預ける。

「大人しく、澄み切った空でも見上げてようぜ」
作品名:Sore/nante Fate 作家名:mo