神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~ 第1~9話
同日、安田記念病院
その日、やや早めにお見舞いに来たはやてと桃子はなのはの前で話していた。
まだ目覚める気配はなかったが心なしか表情が出てきたようにも見える。
その瞬間不意に「うみゅ」という声がした。
空耳じゃあなかった、お互いに顔を合わせて涙を浮かべて喜んだ。
すぐにテル先生に報告する。
「そうですか?なら目覚める日も近いですね、大体目覚める時の目安として寝言なら24時間当たり20~30回以上、瞬きなら200回以上、もぞもぞ動きなら50回以上をクリアして三日以内というのが一般的です。
ご家族で観察日記を付けてみてはいかがでしょう?きっと何かの役に立つと思います」
「え~私も聞きたかったな~なのはの寝言」
アリサは残念そうにそう言った。
その直後から観察日記が付けられるようになった。
その日は寝言の1回だけだったが、家族は友人達は希望に胸を膨らませるのだった。
翌日、
「今のところ変化無しね、夜の間は何もなかったわ」
美由希の説明に残念そうな一同、
「まあしょうがない、今日1日じっくり観察しよう」
ユーノが提案する。
一同は、なのはから目を離さないよう真剣に見つめるのだった。
「!!」
美由希が何かに気付いた、病室を出ると携帯を掛ける。
「美由希か?そうかお前も気付いたか?お前は病院に残れ、これから母さんをそちらに向かわせる」
恭也が既に美由希の前に立っていた。
それだけでなくユーノ、フェイト、はやて、シグナムが目の前に来る。
「あなた達は出ないで、アリサちゃん達が心配するでしょ?」
「でも、この魔力はやばすぎます、我々も一緒に戦い……」
「気持ちは嬉しいけど、ここが最後の砦、万が一あの二人が負けたらここを全力で守りましょ?」
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~ 第1~9話 作家名:酔仙