二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

世界一初恋 高x律 大切な気持ち

INDEX|15ページ/15ページ|

前のページ
 

【SIDE 高野】

小野寺は華奢な腕を俺の背中に廻し、そっと抱きしめた
「・・・言葉では・・まだ・・言えません。だから・・・待ってて貰えますか?」
小さな震える声で小野寺が答える
そのエメラルドの瞳には今にも涙が溢れそうだった

小野寺の顎を上に向け、空いてる手で涙を拭い、そっと目尻に口づける
額、鼻、頬、と順番にキスを落し、最後に唇を塞ぐ
啄ばむように離れては触れ、その都度「律」と名を呼び続ける

最後に首筋に舌を這わせ強く吸い上げる
「イタッ」と僅かに声が漏れたると、もう一度ヌルリと舐め上げ強く吸い上げる

「なっ!!何すんですか!」
「何ってキスマークだけど?」
「こ・・・こんなところ隠せないでしょうが!!」
「ん?隠す必要ねぇーじゃん」
「ハァ?何言ってるんですか?俺まだ入院中ですよ?両親だって見舞いに来るのに!!」
あーどうしよう・・・と頭を抱えている小野寺を他所に軽い爆弾を投下してやった

「お前んところの両親、多分気付いていると思うぞ。俺とお前の仲」
「へ?今なんと?」
「あとさ。エメ編連中も知ってるから」
「・・・何をでしょうか?」
「俺とお前が恋人だってこと」
「・・・・っ!!こ・・恋人って・・えぇぇぇぇぇ!!」
「お前声大きい。もう少し落ち着けよ」

「これが落ちついていられる訳ないでしょうが!!っていうか何で高野さん平気なんですか?」
「ん?俺は別に中途半端な気持でお前と一緒に居たいとか思ってないからさ。
 別に誰に何を言われようが気にしねぇーし」
「・・・・・///」
「むしろ世界中に叫びたいね。律は俺のだから手を出すなって」
「ば・・バカじゃないですか?!」
「いいの。俺は律バカで。律さえ俺の側に居てくれれば何も入らない。」
右腕でギューと抱きしめながら左手で頭を抑え「だからずーと側にいて?」とわざと耳元で囁くと
小野寺は小さく身体を震わせた後、コクリと頷いた



数日間の検査の後、小野寺が退院しエメ編に復帰した
木佐や羽鳥、美濃も喜び、小野寺も入院中の遅れを挽回すべく毎日忙しなく動いていた

相変わらず小野寺は無自覚に笑顔を振りまく
退院後、小野寺の人気が他部署でも急上昇し、ひっきりなしに女性社員から声がかかる
時折、男共からも声がかかるのを見かけると、つい横やりを入れてしまう

小野寺は自分の魅力に気付かず「そんな目で見てるのは高野さんぐらいですよ」と言ってのける
俺の気苦労は尽きることが無さそうだ

それでも入院前はツンツンしていた小野寺は、退院後は少し素直になり、
一緒に帰ることも、俺の部屋で夕飯を食べることにも抵抗が無くなった

それから数カ月後、入稿も終わり校了明けの夜、小野寺と食事をした後のことだった

「律、これ」
「何ですか?」
小野寺にキーホルダー付きの鍵を渡すと、一瞬考えた後「これって・・・高野さん家の鍵ですか?」と聞いてくる
「それ以外に何に見えんの?」
「・・・・いりません」
「ハァ?」
「お返しします」
一度は受け取った鍵をテーブルへ置き、ズイッと俺の前に差し出す

「いらないって、どういう意味?」
「そのままの意味です。高野さん家の鍵はいりません」
「何で?」
「・・・・・必要ないんです」
小野寺は俯いているため、表情が分からない
俺は立ちあがり小野寺の腕を引っ張りあげた
あいている手で顎を掴み、顔をグイッと上げると、真っ赤になった小野寺がポツリと呟いた
「・・・高野さん・・・引越しませんか?」
「え?」
予想外の言葉で呆けていると、小野寺は目を伏せながら続けて話した

「もう少し広い間取りで・・・・家賃は折半で・・俺家事とか出来ませんけど・・努力はします///」
夢でも見ているのだろうか・・・
小野寺からそんな言葉が聞けるとは思っていなかった俺はジッと固まったまま動けなかった
「高野さん?」
何も言わない俺を不安に思ったのか、小野寺は俺の目を見ながら名前を呼んだ
その声に一気に覚醒した俺は、小野寺の腕を掴んで寝室へと向かった
「え?え?」と慌てふためく小野寺を無視して、その華奢な身体をベットへ押し倒した

「お前俺を殺す気?俺の心臓が壊れそうなんだけど?」
そう言うと小野寺は顔を茹でたこのように真っ赤にして「な・・何言ってるんですか!」とバタバタと暴れるが
あいにくと俺は離す気はない

ギューと抱きしめながら、耳元で「律・・・嬉しい。好き。愛してる」と囁くと、「俺も・・です」と小さな声で返事が返ってきた
今まで以上に愛おしく思え、抱きしめる腕に力を込める
おずおずと小野寺の腕も俺の背中に廻され、ギュッと力が入るのが分かる

自然と重なった唇から何度もキスを交わしながら、舌を入れ口内へ侵入する
上顎を舐め、舌を絡めて強く吸う
歯列をなぞると、ビクリと小野寺の身体から力を抜けていくのがよくわかる

「好き。大好き。律・・愛してる」
何度も何度も角度を変えて重ねた唇は、今まで以上に甘く幸福感に包まれた



「まさかお前から言われるとは思ってなかった」
「・・・・俺だって・・言うつもりは無かったんですけどね・・・」
情事のあと、小野寺の髪を梳きながら先程の話しの続きをした

「高野さんが鍵を渡したので・・・タイミングを逃すのはイヤだったから・・・」
「お前ってホントに昔からいざって時は直球なんだな」
「バカにしてるんですか?」
「いいや。可愛いと思って」
「・・・・////」

触れている指先から伝わる良く知る感触
サラサラしている髪を梳きながら、自然と緩む口元を抑えられない
狂おしい想いばかりが胸に疼いて、抱きしめた感触が、声が、鼓動もすべてが俺を温かく包んでくれる

暫くすると小野寺の寝息が聞こえた
そっと額に口づけし「おやすみ。律」と声をかけた

この先、どんなに近くにいても、愛おしいお前を遠くに感じる瞬間もあるだろう
それでも俺はこの手を離さない

お前なしでは生きていけないと強く気付いたから


end