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世界一初恋 高x律&桐x横 名前を呼んで

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「あ。高野さんだ」
ネーム回収が完了し帰社すると、ロビーの喫煙所で高野さんと横澤さんが談笑していた
この二人は大学が一緒で、一時荒れていた高野さんを横澤さんが献身的に尽くし、
今では高野さんの一番の理解者とも言える

横澤さんは高野さんに片思いをしていたのだが、その思いを断ち切り今では新しい恋人も出来た
そうと知っていても、やっぱり横澤さんと話す時の高野さんの表情は穏やかで、笑顔を絶やさない

別に嫉妬している訳ではないのだが・・・正直面白くないと思うのは仕方ないことだと思う
なんとなく気付かれないように早歩きでエレベータホールへ向かう

「小野寺」
グルグルと考えていた時に背後から声を掛けれら思わずビクッとしてしまった
恐る恐る振り返ると、そこにはジャプン編集長 桐嶋禅 が立っていた

「何ビクついてんだよ」
頭をポンポンと叩かれ、「お疲れ様です」と声を掛けると「お疲れさん」と機嫌のいい返事が返ってきた

「お前さ、今日の夜用事ある?」
左程接点のない桐嶋さんに声を掛けられて、ポカンとしていると「メシ一緒にいかないか?」と誘われた

「・・・大丈夫ですけど?」
「よし。じゃ定時後にエメ編へ迎えにいくわ」
「え?わざわざ桐嶋さんに来て頂かなくても、ロビーで待ち合わせにしませんか?」
「ん?いいんだよ。俺が行きたいだけだから」
「はぁ・・・ではお待ちしてます・・」

桐嶋さんとのやり取りの後、エメ編に続く廊下で俺は首を傾げていた
桐嶋さんは横澤さんの恋人で、確か小学五年生の娘さんがいて、奥さんが他界してて・・・
んーどう考えても俺との接点は見つからないんだけどなぁ・・・

グルグルと考えながら歩いていると、ポカッと頭を叩かれ、振り返れば高野さんが立っていた
「何してんの?」
「・・・あ・・ネーム回収してきました」
「ん。ごくろーさん」

そそくさと編集部へ戻ろうとすると、高野さんが耳元でコソッと「俺、今日横澤と呑んで帰るから遅くなる」と一言呟いた
「あ・・すみません俺も今日は呑んできます」と答えると、「誰と?」とギロリと睨まれた
「・・・桐嶋さんです」ボソッと答えると「あ?何でお前と桐嶋さんが呑み行くんだ?」と言い返された

「俺だって分かりませんよ。さっき桐嶋さんに誘われたんで」
「ふーん」
「な・・・なんですか?」
「早めに帰ってこいよ」
「子供じゃないんだから、俺の勝手だと思いますけど?」
「いいから。俺も早めに帰るから」
ポンポンと頭を叩かれた後、クシャと前髪を弄られ「何すんですか!」と乱れた髪を手櫛で直す
「今日は俺の部屋で待ってろよ」と言うと、呆気に囚われている俺を置いて、編集部へ戻って行った

「全く・・・なんなんだあの人は・・・」
ふぅーと溜め息を吐いて、俺も編集部へ戻った



仕事も順調に片付き、定時を迎えた
そろそろ桐嶋さんが来るかもしれないと思い、鞄に荷物を閉まっていると「政宗」と背後から声が聞こえた
「お疲れ様です」振り向けば横澤さんで、「おう」と片手を上げ編集長席へと歩いていく
以前までなら声を掛けたところで睨まれたのだが、今では普通に接してくれている

チラリと高野さんを見えれば、横澤さんと会話をしながら、まだもう少し掛りそうとの会話が聞こえた

「小野寺」
不意に声を掛けられこれまた振り返れば桐嶋さんが立っていた
なんだか今日は一日中背後から声を掛けられっぱなしな気がする・・・

「お疲れ様です。桐嶋さん」
「用意できてるか?」
「はい」
「んじゃ行くか」
挨拶をしようと高野さんの方へ身体を向けると、ポカンと突っ立てる横澤さんが「あんたなんでいるんだ?」と不思議そうにしていた
高野さんも、まさか桐嶋さんが迎えにくるとは思っていなかったらしく、目を見開いていた

「おう。横澤、お疲れ。高野、小野寺借りてくぞ」
ほら行くぞ。と腕を引っ張られ「お・・お先に失礼します!!」と引きずられるように編集部を出た

とりあえず、桐嶋さんの後を追うように歩いて行くと、一件の小料理屋に入った
「客席は少ないけど、料理が美味しいんだよ」
そう言って、適当に小鉢や大皿料理を頼み、ビールが運ばれたことろで乾杯をした

「あの・・桐嶋さん?何で俺を誘ったんですか?」
「ああ。ちょっとな」
そう言って、桐嶋さんはタバコに火を点け、ふぅーと煙を吐くと「お前さ」とポツリと話しだした

「高野と横澤が楽しそうに会話してるの見て嫉妬とかしないの?」
「はぁ?」
「俺は横澤が高野のことを好きだったの知ってるし、勿論昔関係があったことも知ってる」
「はぁ・・・」
「それでも横澤が高野と一緒に笑ったり呑みに行ったりするのを見ると嫉妬するんだよ」
「・・・そうですか」
コクリとビールをチビリチビリ呑みながら、俺は桐嶋さんの話しの続きを待った
「だからさ。俺達もあいつらを嫉妬させるぐらい仲良くしないか?」
「ゴフッ・・・」
何を言い出すかと思えば、この人は高野さん以上にアホかもしれない・・・
ゲフゲフと咳き込んでいると、「まずは呼び名からだな」と真剣に検討を始めた