二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

世界一初恋 高x律&桐x横 名前を呼んで

INDEX|8ページ/8ページ|

前のページ
 


目が怖い・・・背後のドス黒オーラがピンクオーラのエメ編を塗り潰している・・・
ビクビクしながら、とりあえず席に着こうかなぁーと椅子に手を掛けると、バンッと机を叩く音が聞こえた

ひゃっ!と肩を震わせ、ゆっくりと高野さんの方を見ると「小野寺、こっち来い」と低い声で呼ばれた
静々と近づき、「はい」と俯きながら答えると、「こっち見ろよ」とぶっきら棒に言われた

チラリと顔を上げてみると、眉間に皺を寄せた不機嫌顔の高野さんと目が合った
「”禅さん”ねぇー。お前らそんなに仲良かったんだ?」
「・・・・これには深い事情が・・・」
「桐嶋さんも”律”って呼んでたしなぁ?」
「・・・・釈明させてください・・」
「ハッ!俺の名前は呼ばねぇーくせに、桐嶋さんの名前は呼ぶんだ?」
「・・・・」
「なぁー小野寺?お前は誰のものだ?」
「え?」
「惚けんなよ。お前は誰のものだって聞いてんだよ!」
「・・・・・」
「ふーん。答えねぇーの?桐嶋さんには名前で呼ばせて、お前も名前で呼ぶなんて、まるで恋人同士みたいだよな?」
「・・・・ブチッ」
「そんなに桐嶋さんが良ければ、あっちに行けばぁー?」
「・・・・ブチッ・・ブチッ」
「部署異動届け書いて、ジャプン編集部でも行ってこいよ!」
「ブチッ・・ブチッブチッ」
「何か言ったらどーだ?小野寺!」
ブチッ!!!
「はぁ?そうですか。分かりました。早速部署異動届け書きますよ。俺桐嶋さんのところに行きます!!」
「・・・・っ!」
「おっと間違えた。”禅さん”のところでしたね!!俺、今から総務に行って部署異動届け貰って来ます!」
失礼します!と編集部の部屋の扉までスタスタ早歩きで進むと、「律!」と言って俺の腕を掴む

「離してください。高野編集長?俺は”禅さん”のところに行きますので!」
「ダメ。離さない」
「何勝手なこと言ってるんですか?高野さんが行けって言ったんですよ?!」
「ごめん。悪かったって」
「俺の話しも聞かないで、勝手に怒って、挙句に異動届け出せってどういう了見ですか?!」
「ごめん。律。行かないで」
ギュッと後から抱きついて「ごめん。律」と何度も何度も繰り返す

俺は知ってるんだ。
高野さんは俺のちょっとした行動や言動で嫉妬して冷静を失うってことを。
それだけ俺に対して余裕が無くなるってことで・・・

「・・・離して下さい。痛いです」
「嫌だ」
「・・・どこにも行きませんから、離して下さい」
「本当?」
「ええ。」
スッと腕の力が抜けて背中のぬくもりが離れたのが分かった

俺は高野さんの方に振り返り、両手で頭を抑えコツンと額を合わせる
「勝手に暴走しないでください。俺が信じられないんですか?」
「・・・不安だった。お前が桐嶋さんを名前で呼んでるのを聞いて、狂いそうだった」
「桐嶋さんは横澤さんに名前で呼んで欲しいそうです。
 でも呼んでもらえないから、俺に代わりに呼んでくれってダダこねただけですよ」
「お前だって俺の名前呼ばねぇーじゃん」
「・・・好きな人の名前を呼ぶのは恥ずかしいです///」
「俺は全然恥ずかしくねぇーけど?」
「俺と・・・政宗さんは違います///」
急に名前を呼ばれた高野さんは目を見開き、呆気に取られていた
その後、ふっと穏やかな表情で優しく微笑みながら「嬉しい・・初めて名前で呼んでくれた」とギュッと抱きしめた

俺は宙ぶらりんになっている両手を高野さんの首の後ろに廻し、チュッと軽く唇にキスを落した
「・・・仕事に戻ってください///」
「ああ。続きは今夜な」
「・・・・っ!///」
「律からのお誘いだからなぁー俺も頑張らねぇーとな?」
ニヤニヤと悪戯が成功したような表情で笑いながら「今日はスタミナ料理にするか!」と足取り軽く席に戻った

やっぱり、貧乏くじは俺に当たったような気がする
これが幸せというなら、俺はもう少し穏やかな幸せを望むのだが・・・

まぁ今回は桐嶋さんの悪戯に振り回されっぱなしだったけど、
若干気にしていた【合い鍵】が高野さんの元に戻ってきたのだらから、良しとするかな。

ハァーと溜め息をついた後、椅子を引いて仕事モードへと切り替える

あれ?ところで羽鳥さんはどこに行ったんだろう?
高野さんと一緒に部決会議に出席していたハズだったけど・・・

「高野さん!羽鳥さんはどうしたんですか?」
「あ?あれ?そーいえばトリはどこ行ったんだ?」
「・・・・もう入ってもいいですか?」
「「・・・・・」」
「立ち聞きするつもりはありませんでしたが、入るタイミングを逃しました」
「「ごめん(なさい)///」」

end