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ネコミミスト
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novelistID. 4033
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玉虫の翅

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頑張ってください、と言うことしか私にはできませんが。
いえいえ。それでは。
あら。
何かしら。今気付きました。
覚書き……のようですね。なるほど。
深い意味までは分かりませんが、何やら込み入っているようで。
ああ。はいはい。
これはあなたにお渡ししましょう。声に出さなくとも分かります。
見たいと。
知りたいと。
そう言ってますよ。
あなたの心の、深層が。


5.博麗霊夢    ――祝儀色のお目出度い巫女

……短い文字が乱暴に綴られている。
『明後日。正午。永遠亭。』


6.鈴仙・優曇華院・イナバ  ――古式ゆかしい月の兎

師匠。お客様です。
はい。新聞屋の。射命丸文です。
はい?
取り次ぐな……ですか?
いえ、それは構いませんが。珍しいですね。要件も聞かずに。
もしかして来ることが分かっていたとか。
冗談ですよ。
師匠ならそれくらいできてもおかしくないかなって。
あはは。
忙しそうですもんね。最近の師匠。
ともかく、そう伝えてきます。
伝えてきました。
ええ、あっさり帰っていきました。それ程大事な用じゃなかったみたいで。
事件を探すのも大変なんでしょうね。天狗も。
ここ最近はずっと平和ですし。
ええ特に。
姫様が部屋にこもりきりなのが少し心配なくらいですね。
ふふ。
分かってますよ。軽はずみに外に出られては困ります。
てゐは出歩き過ぎなんですよ。今日もどこに行ったのか。
それを言うなら、私はむしろ師匠の方が心配ですけど。
だって。
ちょっと根を詰めすぎじゃないですか?何をされてるのか知りませんけど……。
ああ、はい。聞きません。もちろん。
それは、約束したとおりに。
大丈夫ですよね。師匠のことですし。自己管理とか凄く得意そうな。
私も見習わないとなぁ。
口だけじゃ駄目?はい……その通りです……。
ああ、私もきのこの調合勉強しようかなぁ。
え?ですから、きのこです。
魔法の森の。
あの辺りによく生えてるんですよね。
最近よく行かれてますよね。師匠も。
その辺りに秘訣があるのかなと。え?
それくらいは、流石に言われなくっても分かりますよ。
里に降りたときとか。色んな話聞きますし。
寺子屋の先生みたいな物知りの人もいますし。結構話すんですよ、私。
最近見ないですけど。
ん?
今何か、変な音しませんでした?
ごとりって。何か動いたような。
鼠?いやですよ、そんな。
掃除はしっかりやってます。師匠?
顔色悪いですよ?
何だか急に。
やっぱりお疲れなんじゃありません?
休む。ええそれがいいと思います。
分かりました。お部屋には近づかないように。
兎達にも言っておきます。お休みなさいませ。
ふぅ。
もしかして鼠苦手なのかしら、師匠。


7.アリス・マーガトロイド  ――七色の人形

……屋敷の扉は固く閉ざされている。


8.霧雨魔理沙  ――葬儀色の人間魔法使い

おいおい。
いきなり大声出すとは失礼な奴だな。
呼ばれて出てきちゃいけないのかよ。
死んだ?死ぬのは亡霊だけだぜ。
ああ、白玉楼で花見がしたい。
まぁ入ってくれよ。押し掛けることは多いが妖怪がくるのは少ない。
いいのか。忙しい奴だな。
別に怖いことなんてないぜ。
ちょっと散らかってるがな。
ん、具合でも悪いのか。
珍しいな。お前がそんな顔するなんて。
おいおい。
あとずさらなくてもいいだろ。逃げたら追っかけるぜ?
アリス?さぁな。周りが思ってるほど仲良くはないんだ。私達は。
うそ。うそじゃないって。変な奴だなぁ。
もう行くのか。追わないぜ。
最近はとみに暖かくなってきたからなぁ。頭は大事にしろよ。
ああ、眠い。今日はもう寝るかな。
それじゃあな。
ん?
最近変わったこと?
別にないな。暇だぜ。


9.八雲紫 ――空に架かる境界の色

宇宙は音楽に満ちていると言ったのは誰だったかしら。
あなたはご存知?
こんばんは、八雲紫です。
ふふ。身構えずとも結構ですわ。
私はあなたとお話をしにきただけなのだから。
信じられない?
実はあなたを再起不能にしようと。
うそうそ。
あなたに本気で逃げられるのは少々面倒です。いくら私でも。
逆ですわ。
むしろ、助けてあげようかと。
随分お困りのようでしたから。
あらら。
ここぞとばかりに色々聞いてくるかと思えば。
私の親切って伝わりにくいのよね。なぜか。
玉虫の天敵は何か知っていて?
そう、鳥よ。
鮮やかに色を変える彼らの背は、敵の目を眩ますためのもの。
隙あらば取って食べようという、あなたのような妖怪から逃げるのに必死なのです。
眩ましているのは私だろう、と?
ふふ。
まぁそうなんだけどね。
ただし、それは大きな問題ではない。
鮮やかなる移り変わりに目を奪われたのはあなたが鳥であったため。
それだけです。
重ならない事象。ちぐはぐな印象。
それぞれに異なる色。
それはそれでとても綺麗なのだけれど。
全てを知りたいなら眺めているだけではだめ。
見失うよりも速く捕まえることです。丸ごと。一呑みにね。
その後は……さて、どうでしょう。
あなたのご希望は?
そう。うふふ。
それでは。
我が郷は、とりどりの色の中に。


10.文文。新聞最新号 ――1色刷り

……当たり障りのない記事ばかりが載せられている。
作品名:玉虫の翅 作家名:ネコミミスト