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ネコミミスト
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novelistID. 4033
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玉虫の翅

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正直河童の技術に恐れおののけって感じ……ああ駄目だ駄目だ!
さぁ行った行った!これ以上知りたければ自分の力で何とかするんだね!
このまま喋ってるとほんとにまずいよ!
主に私が!


3.十六夜咲夜  ――真紅に染まった無色の従者

……何故私が河童などと約束を交わさなくてはいけないのでしょうか。
はぁ。とりあえず知り合いの人間に片端から声を。それはお暇なことで。
そもそも我々は知り合いでしたかしら。それを言うなら。
弾幕を交わすのも他生の縁?天狗が何を言うのかしら。
それに、河童と親交が深い人間といえば霧雨魔理沙でしょうに。
え?今何と。よく聞こえませんでしたわ。
最近魔理沙が来たことがあるか、ですって。そんな大声出さなくても聞こえます。
どうだったかしら。
そういえば最近見かけないような。と言っても、元々それほど頻繁に訪れていた訳でもありませんしね。
主に対応なさるのはパチュリー様ですし。真っ直ぐ図書館に行っているなら、場合によっては私が気付かないこともありますわ。
ご用件はそれだけですの?お嬢様でなく私に面会というから何かと思ったのですが。
まだあると。
なるべく手短にしてくださいな。今の紅魔館は少々ごたごたしておりますもので。
前回の異変のせい?まぁその関係ですわね。
我々が何をしていたかですか。なぜそんなことを。
天狗が気になさるほどのことは起きてはいなかった筈ですが。
私も何か起きていることに気付かなかったほどですからね。ええ、最初は。
実を言うと本当に異変と呼べるような代物だったのかと思っている部分もあります。
あの日はレミリアお嬢様が妙に元気を出されて。まぁそれ自体は割りと良くあることなんですが。
今度こそ幻想郷から太陽を追い出す、などと申されまして。
確かに日は出ていませんでしたが。夜、ではないですね、曇りのような。
そういう異変だったのかしら?
あなたの聞いた話と違う?
ということは、まだ全容を把握していないのですか。
天狗の情報網をもってしても、ねぇ……。
そのときですか。誤魔化しましたね。
まぁ言い出したら聞かないお嬢様ですし、ひとしきり暴れれば満足するだろうと私もお供しましたわ。
本当に幻想郷から太陽がなくなっていたらですか。
何の問題もありませんわ。レミリアお嬢様やフランドールお嬢様はさぞお喜びになるでしょう。
お二人が喜ばれるなら、それは私にとっても喜ばしいことです。
まぁ結局そうはなりませんでしたけどね。外を見れば分かるとおりに。
はい。弾幕ごっこに負けて。博麗霊夢との。
魔理沙?そのときは見かけませんでしたわ。
やけに拘りますね。
今一何をお知りになりたいか見えませんが、そのときはそれでお仕舞いです。
お嬢様としてもその運命に不満はなかった様で。はい。
大人しくお屋敷にお戻りになられました。
むしろ大変だったのはそれからの方で……。
あら、美鈴。
どうしたの。門番が門を離れてはいけないでしょう。
侵入者?
へぇ、烏天狗が一匹……。
静止も聞かずに屋敷に侵入、ねぇ。
それはこんな顔かしら。
今更白を切っても遅いって。
私を騙し、あまつさえ紅魔館に侵入した罪。あなたの時間で払ってもらおうかしら。
それとも……おっと。
地震じゃないわよ。少し屋敷が震えただけ。お嬢様達の弾幕でね。
どうも、その異変のときレミリアお嬢様が勝手にお屋敷を出たのが気に入らなかったようね。
誰がって。フランドールお嬢様。レミリアお嬢様の妹君。
そのときからずっとご機嫌斜めで。ときどきこうして暴れるのよ。流石にこう頻繁だと頭が痛いわね。
レミリアお嬢様は?テーブルの角にぶつかってのびていらっしゃる。
まぁまぁ。
そちらは私が看ます。図書館は……ああ、それなら大丈夫そうね。
では美鈴はフランドールお嬢様を。
いや?後生だから勘弁?
まぁそう言うかなとは思ったけど。
困ったわね。
でしたら、こちらの方にお願いいたしましょうか。
何って。
幻想郷最速を誇る、あなたにですが。


4.チルノ  ――総天然色

ちょっと、そこの小汚いあんた。
あんよ。誤魔化そうとしたって無駄なんだから。
湖で妖精にあったらもう逃げられないの!
なによ。
信じなさいよ。
あんたボロボロじゃない。あたしがその気になったら一ひねりだからね!
大ガマみたいに湖に沈めてやるんだから。
え。
なに、四人に増えるとかありえないってどういうこと。意味わかんない。
異変。異変って何のこと。
ちょっと、分かるように言うなさいよ。
分かった。このあいだのアレね。
山の蛙が悪さしてとっても大変だったんだから!
ま、私がぜーんぶ解決して上げたけどね!
巫女?そんなの知らないわよ。
池の蛙を虐めるのはあたしの仕事なんだから。
山じゃないのかって。池の蛙も大変だったの!
バラバラ?
そうね。蛙を凍らせてこう、ばきってすると。そうじゃないって。
みんな言うことが違う?何が起きたのか分からない?
そんなの当たり前じゃん。
あんた、どうしてそんなに疲れてんの?
いきなり一刀両断とかかわせないって。いやもうそれはいいからさ。
分かんないことは考えない!
だって分かんないんだもの。
それよりも、もっと楽しいことしようよ。
ふつーにさ。
いやなの。
ふふん、そんなこと言ってももう遅いわ。
あんたは私が捕まえたんだから。蛙より面白そうだわ。
どうしてやろうかしら……って、ああ!動かないでよ!
あたしより速く飛ぶなんてずるいわ!
追いつけないじゃない!
ちょっとー!
待てー!


5.古明地さとり  ――暗闇に降りる第三の瞳

あら。
どうも、こんにちは。
そんなに驚かれなくてもいいでしょうに。
私も、用事があれば地底から出かけることぐらいします。
あなたもこちらの神社に用が?
頭空っぽの巫女はいないようだけど。
……なるほど、それで彼女から話を聞こうと。
あら、それは失礼しました。
心を読んでしまうのは癖のようなもので。
そのせいであまり私に近づく者もおりませんの。
取材するには楽かも知れない?メモを取るのに集中できるから?
それはそれでどうなの、と思いますが。
ええ、巫女はいません。
どこに行ったか、ですか……私にも分かりませんね、それは。
無駄足になりそうで困っていたところです。
予定が狂ったからと言って、妹のようにふらふら歩き回る性格でもありませんし。
いえ、大したことではないのですが。
少しお礼をと思いまして。せっかく珍しいお酒も用意したというのに。
お礼です。
地霊騒ぎのとき以来、なにかとうちのペットがお世話になっていますからね。
先日もお空が。
正確に、ですか?ええ……ええ、ちょうどそのくらいの時期です。
さすがに耳が速い……なるほど、そういうことですか。
申し訳ありませんが、詳しいことはなにも。
異変がどうのとは言ってませんでしたけどね。
ただ、地上に行ってとても楽しかったと。
はい。それだけを。
滅多にない喜び様でした。
心を読んでも一緒ですよ。分かりやすい子ですからね。
非常に楽しいことがあったと。それだけが真実なんでしょう。
あの子にとってはね。
あなたにとってはそれだけではたりないようですね。
作品名:玉虫の翅 作家名:ネコミミスト