神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~30-40話
「ここがシャマルさんの生活する部屋になります」
バニングス家の本宅、信じられない豪邸だった。
確かに向こうの方に大学が見える、でも歩いたらどれぐらいかかるのだろう?
相当な距離がある。
それに加えてシャマルの部屋もかなりの広さだ。
20畳以上有るだろうか?
そんな広い部屋の窓際にベッドと机、そして出入り口のドアの隣にはクローゼットがあるだけで今のところ何もない。
すぐに本棚や書籍、手術台に見立てた机などで埋め尽くされる事になるのだが
それはもう少し先の話、
バニングス家の人々はシャマルよりもっと広い部屋で暮らしていた。
一部屋一部屋が一軒の家のようなもの凄い量に調度品で埋め尽くされていた。
本宅にもちゃんとアリサの部屋はあるのだ。
アリサの部屋でさえ高級家具で埋め尽くされ相当な資産価値であると一目で分かるほどだった。
そして回りからこの屋敷の事を「バニングス城」とさえ呼ばれていた。
それから使用人の中には、意外なほどに日本人が多かった。
警備関係は全員不破一族と関係者ばかりだ。
お陰で生活面で困る事は何一つ無かった。
こうしてシャマルのアメリカでの第一歩が始まろうとしていた。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~30-40話 作家名:酔仙