新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター番外編2
店内のテレビ番組 「死ねえええええ・・・・ダダダダダダダ!!!オオオオオウ?!!」
勇 「・・・・メシ中に戦争映画なんてみたくねーな・・・。」
勇士朗 「最もっすね・・・よりによって日本軍が蹂躙してるシーンだなんて・・・。」
このお店で偶然やっていただけなんだけど、何故か第二次世界大戦の映画が流れていた。まったく・・・嫌な気分になっちまう・・・けれど澪と和ちゃんはそっちのけでかき玉塩ラーメンを堪能していた。
店員 「あ、ごめんねー。番組かえるね?」
勇士朗 「え?!あー、すんません。」
俺たちの会話を気にかけていたのか店員のおばちゃんが気を遣ってくれていた。
そして土産を買い終え、その日の最後に、物語でも重要な要素となった龍勢の打ち上げ台をエクスカイザーに乗りながら探して回る。ちなみに、勇さんは人間ナビ主義のため、カーナビを付けていなかった。
車内のポジションは勇さんと和ちゃん、そして俺と澪になっていた。けど探訪地図を見ながら行ってもどこにあるのか解らない。
和 「勇さんもわからないの?龍勢台の位置。とりあえず目印が椋神社ってあるけど・・・。」
勇 「まあー、初めての地に出向いたときには地図見ても解りづらいのはよくあることだ。」
隣で澪は周りの景色を見ながら何かをときめかせた笑顔を浮かべていた。何にときめいてるんだ?
勇士朗 「どうしたの?」
澪 「え?あ、ああ。時間帯がアニメと一緒だったから。ちょっとテンション上がっちゃった☆」
てへぺろ・・・!!!彼女のその仕草は俺をしばらく硬直させた。余りにもかわいかったから。
その後もマップを頼りに澪と一緒に探す。
勇士朗 「神社か〜・・・神社・・・神社・・・・ん?!!」
澪 「わかったの?勇士朗!あ・・・・。」
澪が顔を覗かせてくる。ドキンと思わずなっちまった。澪もはっとなって顔を赤くした。
勇士朗 「え・・・と・・・とりあえずこの神社の裏にあるのは間違いないってね!」
とても神社と考えているうちにジンジャエールが飲みたくなったなんて言えなかった。そんなことはどーでもいいとして、しばらくエクスカイザーを走らせるとそれらしき神社が見えてきた。
和 「あ!勇さん、そこの道に神社あるよ!」
勇 「おおっと!」
道路脇にクルマを止めて、本当にここなのかを確かめにいく。勿論、何かあったらいけない。俺が澪と一緒に行くことに。なんか今日、やっと二人きりになれた感じだ。
俺は何気に澪と手をつないで神社に向かって歩いていた。好きなコとこうしていられること自体が幸せだった。
澪 「なんだかわくわくするね!こうやって知らないところで探し物するの!」
勇士朗 「だね!俺も県外へこういった感じで来るの初めてだからさ。」
それらしき神社に来た。けど人気もなく、裏は森林となっている。おっかしー・・・この奥に龍勢台があるのだろうか??とりあえず澪の手にとって奥へといってみた。だけど・・・。
澪 「小さい神社しかないよ??それに・・・これ以上奥に行っても山しかないよ??」
勇士朗 「う、うん・・・・なんだか、雰囲気も『ひぐらし』ちっくだな。いかにも夏に遭遇した怪物が出てきそう・・・。」
澪 「ひいいいい・・・やめてよっ!!」
あー!!やべー!!何てこと言っちゃったんだ!!澪は人一倍怖がりだったんだ!!
勇士朗 「ああ!!ご、ごめん!!俺何言ってんだか。場所違うみたいだから戻ろうか!!」
澪 「う、うん!」
慌てて戻った俺たちではあったんだけど・・・。
澪 「ちょっとまって!勇士朗。今、イイ感じの雰囲気だから・・・!」
澪がそう言って立ち止まった。その方向を見ると勇さんと和ちゃんがいい感じで話していた。勇さんたちもきっと、二人きりになれた時間を堪能しているに違いない。俺と澪はこっそりと隠れ、鳥居の前で腰掛けた。
澪 「私たちも・・・ラブラブしちゃおっか・・・!」
勇士朗 「ふええええ?!!」
いきなりなんて大胆なこと言うんだ、澪!!恥ずかしがり屋な澪はどこいった?!!思わず澪のようなリアクションをしてしまった。けどま・・・嬉しい限りで。
澪 「ふえええって・・・嫌なのか?」
勇士朗 「いや、全然そんなこと無いっっ!!てか、恥ずかしがり屋な澪からそんな発言聞くとは思わなかったから・・・。」
澪 「わ、私だって今、思い切っていたんだから・・・精一杯・・・。」
勇士朗 「そっか・・・ごめんよ・・・。」
そういいながら俺は意を決して澪の肩を持った。そして俺の肩に寄せる。うおおおおっ、スゲードキドキするっ!!!
澪 「いいよ、気にしないで・・・。」
コテンと澪は俺に頭を傾けた。澪の髪の毛が俺の頭に触れる。ぶっちゃけ、ここでもう死んでもいいです。はい・・・・・それぐらい嬉しかった。
結局、同じ名前の神社が龍勢台の麓にあることがわかり、結果的に目的地にたどり着くことが出来た。高いテンションになってデジカメで龍勢台を撮る澪と和ちゃん。改めて遠くから見てると、普段の大人っぽさが消え、無邪気な少女達に見えた。
勇 「しっかし、いい夕焼けだな。風景も抜群だ!!俺、こういう風景好きなんだよな、実は!」
勇士朗 「俺も夕景好っすよ!よく放課後の夕方、連れたちといるときに密かに思いはせてたりします。」
勇 「向こうの山とかホント夕日の・・・なんて言うんだ、グラデーション?がマッチしてるよなぁ!」
勇士朗 「きれーっすよねー。」
勇さんの一声で振り向き、夕日についての会話に勤しむ。けど本当に目の前に広がった夕焼けは綺麗だった。涼しい風が俺たちに吹き付けた。
その日の帰り道。すっかり歩き疲れた澪と和ちゃんは、くーくーとエクスカイザーの車内で寝ていた。走行音とすれ違う車の音が響く。
勇 「勇士朗・・・起きてるのか?」
勇士朗 「え?!ああ、起きてますよ!」
勇 「今日は勇士朗も歩き疲れたろ?遠慮せず寝てな・・・。」
勇士朗 「え・・・そうすか・・・じゃ、お言葉に甘えて・・・。」
勇さんの気遣いに甘えさせてもらい寝ることにした。そのとき、澪がまた俺の方に頭をこてんと倒し、俺の肩を枕にして寝始める。
勇士朗 「澪っ・・・!」
俺のこの反応と状況を勇さんはバックミラー越しに確認していたようで・・・。
勇 「ふっ・・・しっかり青春堪能しろよ!」
勇士朗 「・・・・!ういっす!」
俺は澪に肩を寄せ合い、手を握った。すると澪が寝言を口にした。
澪 「・・・・ふみゅ・・・かき玉ラーメンおいしいね・・・・・ふみゅ・・・。」
今日の夢を見ているんだろうか?そんな澪の寝言もかわいらしい。俺は澪の鼓動と体温を感じながら目を瞑った・・・。
本編へつづく
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター番外編2 作家名:Kブレイヴ