神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~41-48話
それから数日後、春休みも後一週間という日、シャマルが二泊三日の予定で帰国していた。
「お帰り、シャマル」
「ただいま、はやてちゃん」
「お帰りなさい、シャマル先生」
「ただいま、なのはちゃん」
いつもの笑顔で出迎える。
そして診察へ、先ずははやてから、クラールヴィントのセンサーがスキャンしていく。
「まだ太腿から腰にかけての筋肉が弱いわね、この部分に筋肉を付けるなら腹筋背筋も鍛えないとね」
体中の筋肉は繋がっているのだという、そして足りない部分以外の筋肉も鍛えないと、一カ所だけ重点的に付けるのは難しいのだそうだ。
そしてなのはの診断、そこでなのははテル先生に言われた事実をシャマルに話した。
本当にそうなのか?将来的に大丈夫な状態になる事はないのか?聞いてみた。
先ずはスキャン、心臓付近は特に念入りに……
「うーん、骨の回復率は93%ぐらいかな?もう簡単に骨折したり、貧血を起こしたりする事はないと思うわ。
心臓付近も心配したよりずっと良い回復をしているわ。
将来の事だけど、このまま何もしなければそうなるかもね?」
「何もしなければって何かすれば大丈夫なの?」
「そうね、マラソンとか、水泳とか有酸素運動を毎日して体を鍛えるの、心臓が強くなれば多分平気よ、何年か掛かるけど……それから、今ははやてちゃんと同じで腹筋、背筋が弱いわ先ずはそこから鍛え直さないとね」
でもどう鍛えたらいいのか?さっぱり分からない、
シャマル先生に聞いてみた。
「私より専門家がいるじゃない、なのはちゃんちには?」
そう、確かにいる。
体を鍛える事にかけてはもの凄い専門家が……
ただ、お任せすると恐ろしい地獄メニューを作られそうな気がする。
何せあの人は「鬼」とまで呼ばれる厳しい修行を課すのだから。
「取り敢えず、先ずは軽いジョギングから始めてみたら?」
「じゃあ、魔法は何時ぐらいから平気なの?」
「後2~3ヶ月で平気になるわよ、そうなれば完治宣言だけどね、早くそうなりたかったら体を鍛えなさい、それが一番の近道だから」
「所でシャマル先生、免許の方はどうだったの?」
「バッチリよ、産婦人科と小児科を取りました。
残りは内科と脳神経外科ね?6月の試験だからまだ余裕もあるし7月の卒業試験を合格したら日本に帰ってくるわ、少し長い夏休みの後2年間の修行の旅が待っているけどね」
もうシャマル先生は将来計画がバッチリ出来ているようだ。
そしてアメリカでは女神伝説が少しずつ浸透し始めていた。
作品名:神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~41-48話 作家名:酔仙