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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~49-59話

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 やって来ましたロサンゼルス。
 バニングス邸本宅から歩いて30分大学病院に到着する。
その日シャマルは急患が入って手術の真っ最中だった。
心臓肥大から来る心筋梗塞だったようだ。
既に死んでいる心筋を切り取るバチスタをやっていた。
 手術室を上から見渡せる見学ルームから見学する。
見てしまうと当分は肉類が食べられなさそうな風景だ。
「ぁ、あれ回復魔法とちゃう?」
 はやてが一目で見抜いていた。
 そう、シャマルは極薄にした回復魔法を全身から放っていた。
こうする事で手術中のスタッフから気付かれることなく魔法を使っていたのだ。
効果としては患者のバイタルを上げ簡単には死ななくする事、そしてスタッフの疲労を軽減する事だった。
 こうする事で手術をしやすくして救命率を上げていたのだ。
ただ、離れた所から見ると彼女が光っているように見えたのだ。
そして光線の加減や手術室の医療機器が出す電磁波と魔力が干渉してリングや翼といった幻影が見える事もあるようだ。
これが彼女を女神だと思わせていた理由だった。
 でもそれは患者にとっては関係ない事、用は自分の健康が戻ればよい事なのだ。
それでも彼女を女神と信じ、彼女に救いを求める者は後を絶たない。
 それは彼女が惜しみない愛情を注いでくれるから、その愛に慈しみの心に触れたなら、それを救いと感じるからこそ彼女はみんなの女神様なのだ。
「君たち、ここで何をやっている?
余り子供が来る事をお奨めできない場所なのだが?」
 声を掛けたのはハーパー学長だった。
「ぁ、すいません、私、シャマル先生の初めての患者なんです」
 そう返したのは、なのはだった。
「何と!」
 学長も驚いたようだ。
「じゃあ日本から?」
「はい、こんなに元気に成れましたよって見せに来たんですけど……難しい手術の最中だったみたいです」
「なるほど、そう言う事か?」
 シャマルの人柄はここまで人を引きつける物かと感心する学長だった。