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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~49-59話

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 こうして三日も経つとどうにか全員受け身が取れるようになってきた。
「ふむ、これからは少し技も教えていくか?先ずは基本の歩法からだ」
 日本の格闘技と世界の格闘技の大きな違いは歩法にある。
世界中の格闘技の殆どはステップを刻むが日本の格闘技でステップを刻むのは空手だけだ。
 すり足、ステップを刻まない独特の歩法、
達人になるとまるで氷の上を滑っているかのような滑らかな独特の動き、
ステップを刻まないため何時仕掛けてくるのかが掴みにくい。
 そしてすり足からの扣歩、この技はたった二歩で相手の背後に回り込む技法である。
これをやられると一瞬で相手が消えたようにも見える。
 取り敢えずそれからの五日間はストレッチの後受け身の型稽古、
すり足前後左右で道場を10週ずつ、そしてお互いに相手を敵に見立てての扣歩左右50本ずつ、そう言うメニューが続いた。
「ねえ、何でもっと攻撃の技とか教えてくれないの?」
「まだ早い、まだ基本が出来てない内に教えれば相手を殺してしまう事もあるんだ」
 そう、格闘技とは戦場で生き残る為に考え出された技術、気安く使えば相手が傷付き最悪人が死ぬ、だからこそ基本を全てマスターしない内は危険すぎて教えられない。
「なのはだって他の誰かを自分の手で捻り殺すのは嫌だろう?」
 その一言でなのはは理解した。
今自分が教わっているのは人を殺すかも知れない技だと。
 そうやって五日が過ぎる頃には、受け身とすり足が体に染み着いてきた。
「よし、それじゃあ防御のやり方”捌き”を教える」
 士郎が取り出したのは、軟式のテニスボール、当たっても痛くない。
「これを投げるからギリギリで避けるんだ」
 最初はゆっくりと、そしてだんだん速い球が飛んでくる。
「もっと体に引きつけて!目で追うんじゃない!体全体で感じるんだ!」
「何故大きく避けたらいけないの?」
「やってみれば分かるだろう?」
 士郎が投げたボールをなのはが大きく避ける、次の瞬間避けた場所へボールが投げられるが今度はなのはが動けなかった。
簡単に当たってしまう。
「分かっただろう?体勢を崩されたらもう動けないんだ。
これが実戦なら死んでるぞ?」
 魔法戦では魔力を感じて避けていた物の、こういう魔力のない物には反応できないなのは達、
しかも至近距離からだとゆっくり投げられた物でも避ける事が難しかった。
「そうだ、体は半身に構えて相手に向いた手を体の前で中段に構えるんだ!
そうしたら飛んできた物をその手で左右どちらかに弾くんだ!」
 こうして更に三日7月が終わる頃にはどうにか捌きまで出来るようになってきた。
だがこの練習少しずつ地獄化する。
初めの内軟式だったテニスボールは硬式になった。
そして軟式野球のボールへ変わった。
当たると相当痛い、しかも手加減無しの剛速球で投げてくる。
 まあ、捌けている内は何の問題もなかった。
ちょっと油断するととんでもなく痛い目を見るが……