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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~49-59話

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第59話 稽古

 梅雨が明けて蒸し暑い夏が来ている夏休み二日目、
夜の道場稽古から本格的に修行が始まった。
 なのは達にとって袴の穿き方からして分からず、覚えるのが大変だった。
 意外にもシグナムが知っていて指導してくれた。
「さて今日から御式内を教える訳だが先ずは基本の受け身からだ。
簡単な投げ技を掛けるから投げられたら受け身を取るように」
 士郎はまず基本的な受け身の型をやってみせる。
その後でなのは達に基本的な受け身をやらせて更に投げ技で体に叩き込もうというのだ。
 先ずは型稽古、前受け身、横受け身、後ろ受け身、回り受け身、1回ずつ通しで10本ほど練習する。
 次は投げ技を掛けられる。
でもそれが投げ技だとはとても思えない代物だった。
「はいまず手を出して」
 素直に右手を出したなのはは指先を掴まれた。
左右に2~3回振られた瞬間、壁に向かって投げ飛ばされていた。
 勢いよく顔面から壁に突っ込んだ。
「痛ぁぁぁぁぁぁぁ!何するのよ!」
「受け身を取らないお前が悪い」
 そう合気道の基本中の基本、指取りで投げられたのだ。
「じゃあ次はフェイトちゃんだ」
 フェイトは、小手返しで投げられる。
背中から床に叩き付けられるのを、どうにか後ろ受け身で耐える事が出来た。
「流石に飲み込みが早いね、じゃあ、はやてちゃんはどうかな?」
 はやてには四方投げが掛けられた。
空中で一回転して後頭部から床に落ちる。
「あたたたた」
 全然受け身が取れていない。
「これじゃあ危険すぎるから畳を敷くか?」
道場の隅に積み上げられていた畳を敷き詰めて稽古が再会された。
「シグナムさん達もどうかね?」
 そう、今日はシグナム達も稽古に来ていた。
「おもしれぇ!」
ヴィータが飛び上がって殴りかかるがその拳を指先で外に払われると一回転して畳に叩き付けられる。
「なら、これはどうかな?」
 シグナムは、中段突きの体勢で突っ込んでくる。
突くと見せかけての蹴りだったが読まれていた。
 シグナムが蹴りを放つも士郎がその蹴りをかわす。
かわした蹴り足を掴んで後ろに押し倒すと左手で足首を掴み右手で足を外に捻る。
「痛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」
 足固めと言うのだろうか?
全く手も足も出ない。
 結局、今投げられた事をイメージして、徹底的に受け身の型稽古から始まった。
「受け身が出来なければ大ケガをするぞ!」
 一回投げられるごとに型稽古30回、そうするとまた投げられる。
毎回投げられ方も落ち方も違う、とにかくそれを繰り返して痛みと共に体に刻み込む。
 この方法こそが最も早く正確に技を覚える方法だ。
痛い思いをしたくなければ受け身を取るしかないのだから。
 この受け身はただ攻撃のダメージを受け流すだけではない。
攻撃をかわす時の予備動作としても絶対に必須の動きなのだ。
 士郎は言う体に刻んで覚えた物は記憶を失ったとしても体が忘れる事はないと。