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神手物語(ゴッドハンドストーリー)~名医の条件~71-80話

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第71話 女神再臨


 ロサンゼルス時間9月10日お昼前、シャマルはバニングス本宅に到着していた。
取り敢えず3泊4日ここの客間で過ごす。
 必要な物を確認するとカリフォルニア医大の大学病院に向かった。

「やあ、シャマル先生、休暇はいかがだったかな?」
 出迎えてくれたのはハーパー学長だった。
「お久しぶりです学長、お陰でかなり充実した休暇になりました」
 にこやかに答えるシャマル。
「実は君に見せたい物があるんだ」
 そう言ってシャマルを連れて行ったのはあの絵の前だった。
「これ、モデルは私ですか?」
 それは、縦3m横2mにも及ぶ大作だった。
巨大なキャンバスに描かれていたのは、純白の羽根で優しく天使達を包み込む女神だった。
その優しい表情はまさに子供達と戯れるシャマル先生その物だった。
 それを見たシャマルは恥ずかしいやら照れくさいやらで頬を赤く染める。
でも、その愛に溢れた絵から目を離す事は出来なかった。
「この絵、誰が書いたと思う?」
「さあ?でもここに来ていた人の誰かだとは思いますが……」
「あの元組長さんだよ。彼はマフィアをやめて画家になったんだ」
「やっぱり……あの人は、悪い人ではなかった。
心の優しい人だったんですね?良かった」
「いや、あなたが居たからこそ彼はマフィアを辞められたのだ。
あなたでなければ彼の心を救う事は敵わなかっただろう?
彼は心からあなたに感謝すると、もう一度会ってお礼が言いたいと言っていたのだが、
残念ながら仕事が入ってしまって暫くはロスに帰って来ないんだ」
「今どちらに?」
「確かシアトルの方で新しい教会を建てるらしくて、
壁画や天井画を依頼されて先月からそちらに掛かりっきりだそうだ」
「まあ、会えなかったのは残念だけど、彼に新しい職業が見つかって良かったです」
 そう言って微笑んだシャマルはまさに神その物だった。
「さてこんな所で立ち話もなんだ、後は学長室で話をしよう」
 そう言われて振り返った瞬間彼女の後ろには、かなり大勢の人たちが祈りを捧げていた。
「最近、ここ、こんな感じで教会みたいになってしまうんだよな」
 学長がちょっと眉をひそめてみせる。
「良いじゃありませんか?命を救うのも心を救うのも同じ事ですから」
 この一言が切っ掛けだった。
学長が牧師として説法を始める事になる。
その切っ掛けを作ったのはやはりシャマルだったのだ。