吾輩は猫でした
でも今朝起きたら猫に戻ってました。
「……ぇぇー?」
私、黒川エレンはあまりの超展開に布団から起き上がったまま固まってしまった。
だって、ねえ……おかしいでしょ、これ。なんで猫に戻ってるの? なんで猫に戻れてるの? なんなの? バカなの? 死ぬの?
……いやいや、落ち着け私。こういうときはまず冷静になるのよ。混乱していてもどうしようもないわ。深呼吸をして落ち着くのよ。
吸ってー吐いてー。吸ってー吐いてー。
すーはー。すーはー。
ふう、ちょっと落ち着いた。うん、落ち着いて考えてみれば、これは私が寝ぼけているだけなんじゃないかな。寝起きで頭がハッキリしていないから猫に戻ったなんて勘違いをしてしまったに違いないわ。きっとそうよ、そうなのよ! もう一度自分をよく見るのよ、エレン!
チラリともう一度自分の体を見たらやっぱり猫だった。
……諦めよう。現実を受け入れよう。何故かはわからないけど、私は猫に戻ってしまったんだ。
でも、なんで?
私が人間になったのは正義に目覚めたからだけど、その証拠であるキュアモジューレは枕元にちゃんとある。だからそのせいではないわよね。じゃあ、トリオ・ザ・マイナーの嫌がらせとか? それもないわよね……あいつらがこんな回りくどいことをするとは思えない。
うーん……考えれば考えるほどわからなくなってきたわ。
頭を抱える私の耳に、コンコンと何かを叩く音が飛び込んできた。
「おーい、エレン。いつまで寝とるんじゃ。朝ご飯はもうできとるぞ」
音の正体はドアをノックする音だった。どうやら音吉さんが私を呼びに来たみたいね。
そうだ、このまま私一人で考えていてもどうしようもないし、みんなにも相談してみよう。
布団から飛び降りてドアのそばまで来てからハッと気づく。この姿だとドアが開けられない!
「あの、音吉さん、ドアを開けてくれませんか?」
「ん? 別にかまわんが……」
不思議がりながらも、音吉さんはドアを開けてくれた。
「いったいどうしたん……じゃ……?」
目と目が合う私と音吉さん。
「……本当にどうしたんじゃ?」
「それが私にもわからなくて……起きたらこの姿になっていたんです」
「ふむ」
「どうしてこうなっちゃったのか、音吉さん、わかりませんか?」
「そうじゃなぁ……」
音吉さんはあごに手を当ててしばらく考え込んでから。
「とりあえず朝ご飯にしよう」
「ぇぇー……?」
なにこれすごい投げやり。
「まあまあ、慌てるでない。まずは腹ごしらえじゃ。お腹を空かせたままでは何も出来ぬぞ」
……確かにそうかもしれない。音吉さんにそう言われるとそんな気がしてくる。
「さあ、行こう。アコも居間でもう待っとる」
「……ぇぇー?」
私、黒川エレンはあまりの超展開に布団から起き上がったまま固まってしまった。
だって、ねえ……おかしいでしょ、これ。なんで猫に戻ってるの? なんで猫に戻れてるの? なんなの? バカなの? 死ぬの?
……いやいや、落ち着け私。こういうときはまず冷静になるのよ。混乱していてもどうしようもないわ。深呼吸をして落ち着くのよ。
吸ってー吐いてー。吸ってー吐いてー。
すーはー。すーはー。
ふう、ちょっと落ち着いた。うん、落ち着いて考えてみれば、これは私が寝ぼけているだけなんじゃないかな。寝起きで頭がハッキリしていないから猫に戻ったなんて勘違いをしてしまったに違いないわ。きっとそうよ、そうなのよ! もう一度自分をよく見るのよ、エレン!
チラリともう一度自分の体を見たらやっぱり猫だった。
……諦めよう。現実を受け入れよう。何故かはわからないけど、私は猫に戻ってしまったんだ。
でも、なんで?
私が人間になったのは正義に目覚めたからだけど、その証拠であるキュアモジューレは枕元にちゃんとある。だからそのせいではないわよね。じゃあ、トリオ・ザ・マイナーの嫌がらせとか? それもないわよね……あいつらがこんな回りくどいことをするとは思えない。
うーん……考えれば考えるほどわからなくなってきたわ。
頭を抱える私の耳に、コンコンと何かを叩く音が飛び込んできた。
「おーい、エレン。いつまで寝とるんじゃ。朝ご飯はもうできとるぞ」
音の正体はドアをノックする音だった。どうやら音吉さんが私を呼びに来たみたいね。
そうだ、このまま私一人で考えていてもどうしようもないし、みんなにも相談してみよう。
布団から飛び降りてドアのそばまで来てからハッと気づく。この姿だとドアが開けられない!
「あの、音吉さん、ドアを開けてくれませんか?」
「ん? 別にかまわんが……」
不思議がりながらも、音吉さんはドアを開けてくれた。
「いったいどうしたん……じゃ……?」
目と目が合う私と音吉さん。
「……本当にどうしたんじゃ?」
「それが私にもわからなくて……起きたらこの姿になっていたんです」
「ふむ」
「どうしてこうなっちゃったのか、音吉さん、わかりませんか?」
「そうじゃなぁ……」
音吉さんはあごに手を当ててしばらく考え込んでから。
「とりあえず朝ご飯にしよう」
「ぇぇー……?」
なにこれすごい投げやり。
「まあまあ、慌てるでない。まずは腹ごしらえじゃ。お腹を空かせたままでは何も出来ぬぞ」
……確かにそうかもしれない。音吉さんにそう言われるとそんな気がしてくる。
「さあ、行こう。アコも居間でもう待っとる」