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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第61話

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  第61話 「シャイニングダグオン!!」


  異空間の中で勇士朗達は謎の魔法少女を追いかける。その空間は、異様な空気が漂う異次元であった。オトギチックな雰囲気にダークの要素が加わったかのような感じの風景が広がる。

  蓮 「しっかし・・・・変な感じのトコだな??」
 
  俊 「ああ。異次元というよりは、おとぎの世界だ。だが、どこか・・・・不気味だ。」

  俊いわく、その周囲は確かに不気味なものを感じさせる。だが、この奥に囚われてしまった唯達がいるのだ。 

  勇士朗 「この奥に・・・この奥に澪達が・・・!!!」

  光 「待っててくれよっ!!唯ちゃん!!!おおおお!!!」

  とにかく彼女の後を追い走る。未知なる危険を前にしても後先を考えずつっぱしる。その姿勢はまさしく勇者だった。

  走る勇士朗達の周辺から、シュークリームに黒い目とヒゲをつけた得体の知れない何かが向かってきた。一見ふざけんばかりの敵だったが、異様な雰囲気を出している。

  光 「なんだ、あのフザケタやつ??!」

  勇士朗 「・・・・来るッ!!!」

  口を開けて飛び掛る異界の使者達。先頭にいた勇士朗を狙って襲い掛かる。だが、勇士朗は光を放って、光を賭した拳でこれ等の敵を殴り砕く。

  勇士朗 「はぁああああああっっ!!!」

    ドォドォドォバガアアアアアアアアアアッ!!! ドォグドォオオオオッッ!!!

  得体の知れない敵は、あっけなくファイバードの力で粉砕された。勇士朗は拳を見つめ、再び道の奥を睨んだ。一刻も早く澪達をこの不気味な世界から救出しなければならない。

  勇士朗 「一体何なんだコイツらは・・・これが魔女??」

  光 「どーみてもシュークリームか綿菓子のオバケだったな。」
 
  蓮 「しかもヒゲ付きと来た!」

  外見上、これまでの敵とはある意味で一線を画している敵。だが、飛び掛る際、確実に彼らには殺意があった。

  俊 「とにかくいそごーぜっ!!このまま突き進むしかない!!」

  涼 「出られなくなったらどーするんですか??!」

  蓮 「勇者がビビんなっ!!」




  一方、魔女と言われる異次元の魔物のいる空間では、魔女の触手によって澪や唯、律、紬が雁字搦(がんじがら)めに縛り上げられていた。無論、気を失っているため、呼吸以外微動だにしない。

  その周辺には既に犠牲となってしまった少女の亡骸や他の市民の遺体が斃れていた。どれも頭を食われてそれきりという感じだ。

  魔女 「アヒャヒャヒャウヒャハハハハ・・・!!!」

  気味が悪い程に甲高い笑い声を叫ぶ魔女。いよいよ唯にその牙が向けられる。迫る口。もはや逃げる術はない。

  その時―――。

    ズバザァアアアアンッッ!!

  魔女の触手を絶妙な斬撃が斬り払う。剣士のような衣装に変身した先ほどの少女がマントを閃かせながら間一髪で唯を助けた。

  謎の魔法少女 「はぁあああああああ!!!」

  その場から飛び立ち、魔法の力を賭した剣で魔女に斬りかかる謎の魔法少女。

    ザンッッ・・・・ザァシャアアアンッ!! ズバァン、ズギャシャアアアアッ・・・・!!!

  魔女 「ヒュヒュフフヒイイィ・・・!!!」

  悲鳴にも似た叫び声。だが、次の瞬間反撃の触手が謎の魔法少女を襲う。

    ヒュズオオオオオッッ!!!

  謎の魔法少女 「ぬおりゃああああああ!!!」

    ザザザザズバアアアアアアアアンッ!!!

  勇者ロボットの剣撃に勝るとも劣らない剣捌き。一瞬にして触手を破断。だがその時、床と思わしき地面から芋虫に似たモノが浮かび上がる。

  謎の魔法少女 「使い魔かっ?!!」

  使い魔と呼ばれる芋虫状の敵が謎の魔法少女に襲い掛かる。他にも先ほど勇士朗が駆逐した敵もいた。それに対し、彼女は一気に飛び込んで向かい、連続でブレードを斬りつけた。

  謎の魔法少女 「こんのやろおおおおおおおお!!!」

    ズバギャンッ、ザヴァンッ、ズドォシャッ、ギャシュンッ、ズババシャアアアン!!!

  使い魔 「ギュギュグググググウウウウウ!!!」

  鮮やかに切り裂かれる魔女の使い魔。シュタンと着地した彼女は回転しながら広範囲の使い魔を斬り裂いた。

    シュズズズズバアアアアアアアンッ!!!

  次の瞬間には本体の魔女の懐に突っ込み、高速の剣撃で滅多斬りを繰り出す。

  謎の魔法少女 「はぁああああああああああ!!!」

    ズヴァザザザザザザザザザギャアアアアンッッ!!!

    ズズズズズヴシュワアアアアアアアアアッッッ!!!

  黒い血を飛び散らせてズタズタになった魔女。彼女の闘う力は本物だった。だが、その直後の状況に彼女は動揺し始めた。

  謎の魔法少女 「・・・・よっしゃ!!これで魔女の空間も崩壊・・・・――――す・・・る?!え・・・・何故崩壊しないの??!異次元空間を造っている本を斃せばいつもは崩壊するのに??!それに・・・グリーフシー・・・。」

  新たな魔女 「オオオオオオオオ!!!」

  先ほどとは裏腹に野太い女性の声質に似た声が鳴り響く。異次元の中の異次元を切り裂き、巨大なる魔女が出現した。その姿は十字架の中央に不気味な仮面をつけた様な魔女だった。その上部からは一本の長い腕が生えている。

  謎の魔法少女 「こんな大きな魔女・・・・闘ったことない・・・!!!けど、こいつが真の魔女なのか!?!くっ・・・・はあああああ!!!」

  マントをひらめかせて果敢に立ち向かう謎の魔法少女。だが、巨大ロボットに相当するその魔女の攻撃は一撃で少女を吹っ飛ばす。
 
    ドォバキャアアアアアアアアアン!!!

  謎の魔法少女 「きゃあああああああああ!!!」

  壁に叩きつけられた謎の魔法少女。彼女にとってこれまでに無いダメージを負った。更に追い討ちをかけるかのように別の同じタイプの魔女が現れた。木霊する野太い笑い声。

  十字架の魔女A・B 「ヲフォフォフォフォフォ!!!」

  更に左右から腕を伸ばし、魔女は澪達を鷲掴みにしようと試みる。

  謎の魔法少女 「ちっくしょっ・・・・・こんなに巨大で強いだなんて・・・・・異常過ぎる!!!くぅっ・・・それに、威力が大きすぎて、私の回復が追いつけない・・・や、やめろおおおお・・・!!!」

  間に合わない。彼女が悔しさに唇をかみ締めたその時だった。勇士朗が桜高のハカイジュウ災害の時のように飛び蹴りを繰り出し手飛び込んで来た。

  勇士朗 「ぉぉぉおおおおおおおお!!!」

    ドォギャズウウウウウウウウウッッ!!!

  蹴りは手の甲に直撃。勇士朗は再度あの時のように澪達を危機から救ったのだ。謎の魔法少女もこの事態に信じられない思いをする。

  謎の魔法少女 「え??!な、なんなの??!」

  十字架の魔女A 「ホワアアアアアア??!!」

  その後から直ぐに光達も駆けつけた。着地して魔女を睨む勇士朗。ついに高校生勇者達と魔女が対峙する。