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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第62話

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  その隣で紬は寝ぼけたことを口にしながら起き上がった。

  紬 「ん・・・・ゲル状のマイトガインがいいの・・・。」

  それを聞いた光と蓮が白目で固まって突っ込む。

  光&蓮 「―――どんなだよっ??!」

  俊 「さあ、はやくマラソン大会にもどろうぜ、紬嬢!!」

  律は身体を伸ばしながら深呼吸すると、おぼろげな記憶を思い出しつつ唯を見て、ノリ突っ込みのように言う。

  律 「んんん〜・・・・ああー!!何してたんだ・・・??おー、確か唯がいなくなって、さがしてて〜・・・って、唯いるじゃーん!!!」

  唯 「いるよー。いぇい!」

  律 「『いぇい』じゃない!!!早く行くぞ!!って、なんで蓮達までいるんだ??」

  蓮 「いや、俺たちはだな・・・!!!」

  どうやら引きずり込まれた瞬間以降の記憶が無い様子だった。異次元内で目覚めた澪以外は。

  勇士朗は蓮に「空気読め」と首を振ってサインする。蓮もそれに応じて下手なごまかしをする。

  蓮 「実は、異次元人と戦ってたんだ!!新しい敵とな!!!律っちゃん達も奴らに気絶させられてたんだ!!!」

  律 「マジか??!記憶ねーぞ!!」

  中らずとも遠からずなごまかしにガクッとなる勇士朗。

  勇士朗 「はあ〜・・・澪以外はみんな意識が無かったからね・・・。」

  澪 「・・・・まぁ・・・知らない方がいいってこともあるしね。ねぇ、あのコはどうするの?」

  澪は自らを魔法少女と名乗っていた彼女のことが気にかかっていた。同じ女子でも、勇士朗達のように戦う運命に身を置いていたからだ。

  勇士朗 「例のコか。とりあえず今日、夕方公園で落ち合うことにした。色々聞き出したいことがあるからさ・・・魔法少女の存在といい、今回の新たな敵の存在といい・・・。」

  澪 「新たな敵・・・か・・・。」




  それから後、桜高のグラウンドに唯達が姿を見せた。その中には野郎が約5名程混じっていた。

  生徒達のざわめきが巻き起こるグラウンド。だが、桜高の救世主と認識した瞬間、キャーキャーという歓声に早代わりした。

  憂 「お、お姉ちゃん!!よかったぁ〜・・・無事だったんだね!!」

  姉の無事にホッと胸を撫で下ろす憂。純が何故男子が紛れているのかを突っ込み、梓は直ぐに勇士朗達だとわかった。

  純 「なんで男子が混じってるの??!」

  梓 「俊さん達だっ!!なんでこっちに来てるの??」

  和 「確かに桜高と桜工はマラソン大会の日が同じだけど・・・。」

  勇士朗達はノリと勢いだけで桜高のグラウンドへ入っていったのだ。普段突っ込み役の俊でさえバカになって走っていた。

  光&蓮 「おおおおお!!!」

  唯達 「きゃあああああ、おしるこおおおお!!!」

  全力で走っていくがその途中、さわ子が笛を鳴らしながらスピーカーを介して止めに入った。

    ピピーッ!!

  さわ子 『ちょっと止まりなさい、他校の男子!!!』

  唯 「さわちゃん!!」

  光 「さわ子先生かぁ??」

  蓮 「勢いとノリで突っ込んだんだっ、いっちまえええええ!!!ぎゃははははー!!!」

  俊 (ちょっとまて??!これってヤバクナイか・・・??!)

  勇士朗 「なんで俺たち、桜高に突っ込んでるんだァ〜??!」

  光 「わはははははは!!!我、速しっっ!!!」

  ノリと勢いが止まらない光と蓮が強行突破を試みたその時、さわ子の素が爆発した。

  さわ子 『止まれっつってんだろがぁ!!!他校男子共ぉおおおおおおお!!!』

  光&蓮 「ひいいいいいいいい??!」

  案の定、教員が数名入り、こっ酷く厳重注意を促される勇士朗達。だが、勇士朗達については救世主の免除もあり、桜工への報告は無くなった。だが、桜工ではいつまでも帰ってこない勇士朗達に対し、魔王山田が木刀を担ぎながら危険なオーラを放って待っていた。

  山田 「あいつらぁ〜・・・・どこで油売ってやがる〜???死刑決定だぁぁ〜・・・!!!」

  ある意味で勇士朗達にとって最強の敵と呼べる存在であろう。この後勇士朗達がどうなったかは言うまでも無い。




  その日の放課後の夕方。勇士朗達は澪と唯、律、梓と共に澪の近所の公園に来ていた。勇士朗達は、魔王山田の制裁を受け、負傷している。

  律 「あんたら・・・大丈夫か??何があったんだ??また異次元人と闘ったのか??」

  光 「あー・・・キレたさわ子先生よりおっかねーセンコーによってやられたんだ・・・。」

  唯 「酷いことするね〜・・・よしよし。」  

  光の傷をすりすりと撫でる唯。光は眼を輝かせて言い放つ。

  光 「っしゃああああ!!!治ったあああああ!!!」

  そんな光に突っ込みながら俊は脚に頬杖をついてため息を吐く。

  俊 「んなわけあるか!!!はぁ〜ったく・・・・魔王の制裁受けるとはな〜・・・。」

  梓がよこから俊を伺って心配する。無論うれしくてたまらない。

  梓 「大丈夫ですか?俊さん。魔王って・・・そんなに恐ろしい人なんですか?!」

  俊 「え??あ、ああ、大丈夫っ。でー・・・魔王ってのは俺達の学校じゃあ、有名なスーパー暴力教師だ。悪漢されて訴えることもその猶予すら与えない!!!ちなみに由来は戦国BASARAの織田信長から来ている!!」

  梓 「滅茶苦茶な人ですね・・・。」

  澪も勇士朗の痛々しい傷を見みて心配する。やりすぎな制裁に澪も少し憤りを覚える。

  澪 「大丈夫なのか・・・??ホント、酷いことする先生だな!!桜高じゃ考えられないよ!!」

  勇士朗 「まー、先公事態がヤ○ザみたいな連中だからなぁ・・・あははは〜。」




  同じ頃の、蓮のバイト先のローソン。姫子が傷だらけの涼をしきりと心配していた。彼女の母性本能が高ぶって已まない。

  姫子 「大丈夫、涼!?また、闘ったの?!ヒドイケガじゃない!!」

  蓮から色々と説明をする。だが、同じく負傷している蓮に大してはいい加減に振舞う。

  蓮 「ああ〜と・・・かくかくしかじかでな〜・・・。」

  姫子 「ふーん・・・あんたの自業自得じゃん。」

  蓮 「まー・・・否定しないけどよ、なんかそっけなくね??てか、なぜ俺だけ??涼は?!」

  姫子 「涼君だけは暴力しちゃかわいそうだからよ!!あ〜もう、涼、ホントかわいそう〜・・・痛かったよね?よしよし!」

  涼 「うう〜姫ちゃーん、痛かったよ〜、怖かったよ〜!」

  姫子 「ううー涼〜☆」

  きゅーと涼を抱きしめる姫子。涼は幸せそうだ。この完全差別的なまでな状況とベタベタラブラブな二人にイラっと来る蓮。無理も無い。

  蓮 「(ヒクヒクッ)とっととバイトはじめっぞ!!!バイトぉ!!!」




  そして勇士朗達の前に例の魔法少女が現れた。彼女は皮肉めいたようなことを吐き捨てる。どうやらこれまでの会話を聞いていたようだ。