必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第1話
一週間後、全ての人物が特定された。
「さて、普段のお仕事は終わったし、仕事の後は仕事だよ」
はやてを座長にテーブルを囲む6人。
「殺しの的は、ジョニー・マクシミリガンとその息子ダニエル、ダニエルの仲間8人、刑事が2名や、
しめて1000万の仕事や、抜かるんやないで」
「署長と息子は私が殺ろう」
シグナムはそう言った。
「じゃあ、私は刑事達を」
シャマルが答える。
「じゃあ私ら4人で残りのザコを片付けるよ」
ヴィータがそう言うと、リィン、アギト、ザフィーラが頷く。
仕事が始まった。
場所は、廃棄都市区画のとある雑居ビル。
ダニエルの仲間達は、ここを根城に悪さを繰り返していた不良共だ。
ビルの一室で、たむろする8人タバコの煙が立ちこめ、酒瓶やら、ドラッグの錠剤やらが床に散らばっている。
それは、一瞬の出来事だった。
突然、コンクリートの壁を突き破って、太い腕が入ってきた。
8人の中の一人をひっつかむと、その穴の中へ引きずり込んだ。
ボキッ、バキッ、グシャッもの凄い音がする。
そして投げ返された時、彼は人の姿ではなかった。
全身の骨という骨を砕かれ、手足を体の中に押し込まれた姿は、雪だるまの様な、極めて異様な光景だった、これが本当の肉達磨である。
やったのはザフィーラだった。
彼らは慌てて逃げ出した。
だが、玄関を出た所で二人が上から振り下ろされた巨大なハンマーに押し潰された。
まさにぺちゃんこ、車に轢かれた蛙の様になっていた。
裏口から逃げようとした二人の足が止まる、まるで凍り付いた様に……本当に凍っていた。
その氷が、みるみる間に全身を包み、完全冷凍してしまう。
「さようなら~」
そう言ってリィンは、二人を蹴飛ばした。
カチャーン
ガラス細工が砕けるごとく、二人は砕けて散った。
1階の窓から飛び出した二人の先にはアギトが待っていた。
「これでも喰らいな」
一人が火だるまになった。
「良く味わえよ」
もう一人の口に手を突っ込むと、強烈な火炎をお見舞いした。
火炎は、食道から胃を焼き尽くし、或いは気管支から肺を焼き尽くした。
アギトの仕事が終わった頃、ザフィーラがもう一つの肉達磨を完成させていた。
二人の刑事は、風俗の帰りだった。
どこからともなく二人の首に糸の様な物が巻き付いてきた。
一気に締まったワイヤーは二人を暗い路地に引きずり込んでいた。
そのまま3階ベランダの手すりに掛かって二人を中吊りにする。
「あら、まだ死なないのね、でも、そろそろお逝きなさい」
シャマルが、1本目のワイヤーを少し引いてから「ヴン」と弾く。
まず一人が絶命する。
それを見たもう一人が手を合わせて命乞いした様だが、そんなことに容赦はしなかった。
彼女が二本目のワイヤーを弾いた時、既に仕事は完了していた。
ピンポ~ン
「誰だ、こんな夜遅くに」
「夜分遅くすいません、防衛隊のシグナムと言いますが、この辺りまで殺人犯を追いかけてきたのですが、
見失ってしまいまして、ご協力願えないでしょうか?」
ガチャ
ドアを開けたその瞬間だった。
ズドッ!
ジョニーの腹に下から剣が突き立てられた。
そのまま心臓を切り裂き、首の付け根から後ろへ貫通していた。
「ああ、殺人犯はこんな所にいましたね」
剣を引き抜くと、家の中に入っていく。
ダニエルは、自室でゲームに興じていた、突然入ってきたシグナムに、いきなり斬りつけられた。
それでもまだ息があった。
「これまでお前が殺してきた人たちの恨みだ、じっくり味わえ」
彼の胸の上に剣を立てるとゆっくりと押し込んでいった。
作品名:必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第1話 作家名:酔仙