必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第3話
第3話 ヴィータ慟哭
教導隊の仕事が終わると、ヴィータはいつもの様に買い物に行く、教導隊の隊舎の近くの裏通りには、
年寄り夫婦が細々と営む駄菓子屋があった。
ヴィータは、この駄菓子屋が大好きだった。
この駄菓子屋、とにかく品揃えが豊富で、単品の値段が安い。
毎日買い食いしたって、そんなに財布に響かないから、気に入っていた。
時々遊びに来るヴィヴィオと一緒に、買い食いしに来ることもあった。
また、年寄り夫婦から見れば、お子様なヴィータは、孫の様に見えるのかも知れない。
毎日の様に可愛がられて、二人に甘える幸せなひとときであった。
この場所は、廃棄都市区画に近く、先のJS事件の際に、大きな被害の出た区域とも隣り合っていた。
「どおだ、なのは、食べるか?」
「また買ってきたんだ?ヴィータちゃん、ホント好きだね」
「疲れた時は、甘い物に限るって」
どこかで誰かが、同じ事を言っていた様な気がする。
なのはは知っている、この日もヴィータはアイスを買い食いしてきたことを……(笑
「あたしら守護騎士は、人間じゃあないから太らねえし、糖尿病とも無縁だ、イイだろ」
「でも、太くなって欲しい所もあるんだよね~」
「うっ」
言い返せない。
確かに、胸とおしりはもう少し欲しい、それ以上に身長が後15センチは欲しい所だ。
何せ大人用の事務机では、仕事が非常にやりにくいのだ。
でも、彼女はこの姿で既に1000年以上生きている。
正確な活動時間の合計からすれば100年には満たないのだろうが、この十数年は、今までで最も長い活動時間と言える。
まあ、製造されてから軽く1000年と言った所だろう。
歴代の主人は、どいつもこいつも酷い奴ばかりだった。
人間として扱ってくれたことなど、ただの一度もなかった。
そのくせ、戦争の道具として、殺戮の兵器として自分たちを扱った者ばかりだった。
毎日の様に戦いに明け暮れ、血にまみれた生活だった。
しかし、この十数年は幸せだった、多少の血は流れたかも知れないが、あの戦争に比べたら大したことではなかった。
そしてまた、血を流す生活を始めてしまった。
ただ以前と違うのは、主人の私利私欲ではなく、あくまで弱い人の為、その恨みを晴らす為に悪人を殺すという事であった。
主はやては、決して私利私欲の為に人を傷つける様なことは、しない人間だった。
だが、虐げられている人を見た時の怒り方は、尋常ではない。
人の為に怒り、人の為に泣くそんな主だからこそ、彼女の考え方に賛同したのだ。
実際、この仕事を始めて、酷い人間の多いこと、昔こんな奴らに仕えていたかと思うとぞっとした。
私利私欲の為なら、人の命など何とも思わない連中ばかりだった。
もしかしたら、今自分は、昔の罪滅ぼしをしているのかも知れない。
遠い目でそんなことを思いながら、空を見上げることもあった。
昔のヴェルカの空は、戦艦に埋め尽くされ、地面は血溜まりがあちこちに出来、
硝煙と人が焼ける匂いが立ちこめるそんな世界だった。
今の空は、そんなことを微塵も感じさせない、綺麗な青い空だ。
ヴィータは、そんな青い空が大好きだった。
咲き乱れる白い花が大好きだった。
「いつか誰もが笑って暮らせる世界の為に」
はやてのその言葉を信じ、戦うことを決意したからこそ、この仕事を続けていけるのだ。
空を見上げながら思う、明日も良い天気だ。
教導隊の仕事が終わると、ヴィータはいつもの様に買い物に行く、教導隊の隊舎の近くの裏通りには、
年寄り夫婦が細々と営む駄菓子屋があった。
ヴィータは、この駄菓子屋が大好きだった。
この駄菓子屋、とにかく品揃えが豊富で、単品の値段が安い。
毎日買い食いしたって、そんなに財布に響かないから、気に入っていた。
時々遊びに来るヴィヴィオと一緒に、買い食いしに来ることもあった。
また、年寄り夫婦から見れば、お子様なヴィータは、孫の様に見えるのかも知れない。
毎日の様に可愛がられて、二人に甘える幸せなひとときであった。
この場所は、廃棄都市区画に近く、先のJS事件の際に、大きな被害の出た区域とも隣り合っていた。
「どおだ、なのは、食べるか?」
「また買ってきたんだ?ヴィータちゃん、ホント好きだね」
「疲れた時は、甘い物に限るって」
どこかで誰かが、同じ事を言っていた様な気がする。
なのはは知っている、この日もヴィータはアイスを買い食いしてきたことを……(笑
「あたしら守護騎士は、人間じゃあないから太らねえし、糖尿病とも無縁だ、イイだろ」
「でも、太くなって欲しい所もあるんだよね~」
「うっ」
言い返せない。
確かに、胸とおしりはもう少し欲しい、それ以上に身長が後15センチは欲しい所だ。
何せ大人用の事務机では、仕事が非常にやりにくいのだ。
でも、彼女はこの姿で既に1000年以上生きている。
正確な活動時間の合計からすれば100年には満たないのだろうが、この十数年は、今までで最も長い活動時間と言える。
まあ、製造されてから軽く1000年と言った所だろう。
歴代の主人は、どいつもこいつも酷い奴ばかりだった。
人間として扱ってくれたことなど、ただの一度もなかった。
そのくせ、戦争の道具として、殺戮の兵器として自分たちを扱った者ばかりだった。
毎日の様に戦いに明け暮れ、血にまみれた生活だった。
しかし、この十数年は幸せだった、多少の血は流れたかも知れないが、あの戦争に比べたら大したことではなかった。
そしてまた、血を流す生活を始めてしまった。
ただ以前と違うのは、主人の私利私欲ではなく、あくまで弱い人の為、その恨みを晴らす為に悪人を殺すという事であった。
主はやては、決して私利私欲の為に人を傷つける様なことは、しない人間だった。
だが、虐げられている人を見た時の怒り方は、尋常ではない。
人の為に怒り、人の為に泣くそんな主だからこそ、彼女の考え方に賛同したのだ。
実際、この仕事を始めて、酷い人間の多いこと、昔こんな奴らに仕えていたかと思うとぞっとした。
私利私欲の為なら、人の命など何とも思わない連中ばかりだった。
もしかしたら、今自分は、昔の罪滅ぼしをしているのかも知れない。
遠い目でそんなことを思いながら、空を見上げることもあった。
昔のヴェルカの空は、戦艦に埋め尽くされ、地面は血溜まりがあちこちに出来、
硝煙と人が焼ける匂いが立ちこめるそんな世界だった。
今の空は、そんなことを微塵も感じさせない、綺麗な青い空だ。
ヴィータは、そんな青い空が大好きだった。
咲き乱れる白い花が大好きだった。
「いつか誰もが笑って暮らせる世界の為に」
はやてのその言葉を信じ、戦うことを決意したからこそ、この仕事を続けていけるのだ。
空を見上げながら思う、明日も良い天気だ。
作品名:必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第3話 作家名:酔仙