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必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第4話

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第4話 シャマル先生キレる!


 ここは、地上本部総合医療センター、シャマルの職場である。
ここには、いわゆるゴッドハンドと呼ばれる凄腕の医者達が集められ、任務で傷付いた局員達を治療している。
他にも、幹部の健康管理とか、場合によっては、クラナガン大学の医学部と人事交流をしたり、いろいろと複雑な人間関係が交錯する場所でもある。
 シャマルも、そんなゴッドハンドの一人である。

 特に、魔法治療の権威であり、難しい呪いの様な魔法を解いたり、一般外科と魔法治療の融合は、画期的に救命率を上げることに成功していた。
また、他の科と共同で大きな手術をすることもあった。
 元々彼女は、医者だった訳ではない。
はやてが主になってから、彼女の足を治す為、大学に通い医師免許を取得し、ここまで上り詰めた苦労人なのだ。
 彼女の人柄を慕ってか、医療センター内での人気も人一倍高い。
男女問わず、シャマル先生に声を掛けてくれる。
そんな彼女が、仕事人をしているなんて誰が想像するだろう?
 シャマル自身、今自分のしていることが信じられないで居るのだ。
人を救う立場にありながら、人を殺している。
せめてもの救いは、殺している人間全てが、悪人であると言うこと、ただそれだけだった。
 はやては言う、最も仕事人に向いているのはシャマルなのかも知れないと。
 普段、患者に惜しみない愛情を注ぐ彼女も、悪人に容赦したことは一度たりとも無い。
殺すその瞬間も、ただ、淡々と相手を殺していく。
いつからだろう?こんなに人の死に何も感じなくなったのは?
 元々、ヴェルカ戦乱の時代からそうだったのか?それとも医者になって、あまりに多くの死に出会ったからなのか?
今となっては、それも遠い忘却の彼方である。
 それでも、彼女が感情を露わにする時、それは虐げられ、虐待された末に殺された人を見た時である。
総合医療センターには、鑑識セクションとして、司法解剖を行う部署もある。
当然、人手不足による監察医の不足から、彼女が解剖を手がけることも珍しくなかった。
 不当な暴力の末に、命を落とす人のなんと多いことか?
そんな被害者を見るたびに、彼女の怒りは静かに大きく燃え上がるのだった。
 そして、そんな被害者や家族の為に涙を流す主を見ては居られなかった。
自ら進んで、主の為、被害者の為に仕事人となることを選んだのである。

 総合医療センターは、局員だけでなく、難しい病気や大ケガをした一般市民も多く入院している。
これだけ高度な医療が行えるのは、ヴェルカ聖王病院と総合医療センター、そしてクラナガン大学付属病院の3カ所である。
今は、シャマルが育てた弟子達も多く活躍し、医療全体の底上げにも貢献しているのだ。