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必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第4話

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「シャマル先生~」
 声を掛けてきたのは、ジェリマーくん5才、小児科病棟に入院している男の子だ。
彼が来ると、あっという間に他の子供達にも囲まれてしまう。
シャマル先生はどこへ行っても人気者なのだ。
「こら、あんまり走り回ってるとまた痛くなっちゃうぞ?」
 彼は、一月ほど前、原因不明の腹痛で入院してきた。
小児科は、シャマルの担当ではないのだが、当直の際小児病棟を担当して仲良くなったのだ。
「はーい、ごめんなさい、でもシャマル先生だーいすき」
 そう言って抱き付いてくるこの子が可愛かった。
ジェリマーくんの両親は、共働きで、下級局員である。
忙しくて滅多にお見舞いにも来られない為、シャマル先生になついてしまったのだ。
 シャマルも満更ではなかった。
このまま彼を育てても良いかな?何て考えることもあるほどだ。


「シャマル先生、ちょっと良いですか?」
 声を掛けたのは、小児科のキンブル医師だった。
「どうもおかしいのですよ?
検査結果に何の異常も見当たらない、むしろ健康体そのものなんです。
運ばれてきた時の、あの痛がりようが嘘のようです」
 ジェリマー君の検査結果は何の異常もないのだという。
「内科医としての、シャマル先生の意見を聞きたい」
「脳神経の関係は検査したのでしょうか?
もしそれでないとするなら、呪いの様な魔法かもしれません」
「どちらもまだ検査していません、明日早々にも検査を入れておきます」
 それが、キンブル医師と交わした最後の言葉となった。
翌日、彼は駐車場の車の中で、変わり果てた姿となって発見された。
 それだけではなかった。
あのジェリマー君が原因不明の発作で死んでしまったのだ。
 この時、シャマルは、病院の中で何か得体の知れない物が蠢いていることに気付いた。
キンブル医師絡みの捜査をはやてに依頼した。
「はやてちゃん、恐らくただの殺人事件にはならないと思うの、もっと大きな何かが動いている様な気がするの」
 はやても、事件の匂いを感じていた。
「シャマルも命を狙われる可能性がある、これから、それとなく警護を付けるから用心しぃ」


 手分けをして捜査が始まった。
そんなとき、ジェリマーくんの両親が彼の遺体を解剖して欲しいと、警察に持ち込んでいた。
カルテには心臓発作と有るが、とても信じられなかった様だ。
 シャマルが警察に出向いて司法解剖を担当した。
結果は驚くべき物だった。
 心臓に、肝臓、腎臓も抜き取られて無くなっていた。
代わりに、体の陥没を防ぐのと、体重調整の為だろうか、医療用の水風船が入っていたのだ。
体の表面に傷を残すことなく、臓器を抜き取り、水風船を入れる。
 シャマルには心当たりがあった、これは自分の教えた魔法を応用した物だ。
主要臓器を抜き取るとすれば、転売目的か、移植しかない。
考えられる犯人は、循環器外科のクロフォード医師だ、彼は新進気鋭の医師として売り出し中の若手ナンバーワンだ。
だが、彼だけではないはず、白い巨塔に巣くう巨悪が見え隠れしていた。
 ジェリマーくんの両親に、辛い報告をしなければならなかった。
それ以上に、シャマルの怒りは大きかった。
もう、これ以上犠牲者を出す訳にはいかない、一刻も早く事件の解決をしなければならなかった。
 翌日夕方、ビリケンさんの前に3人の人影があった。
キンブル医師の妻と、ジェリマーくんの両親だった。
「このお金でどうか、敵を討って下さい」
「判った、受けよう」
ビリケンさんはそう答えた。