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必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第4話

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 仕事が始まる。



「殺しの的は、医師クロフォード、事務長、医局長、移植コーディネイターのトーマス、経理係長の5名や、
奴らは、移植患者からの多額の謝礼と、高額な手術料を目的に既に7人の犠牲者を出しとる。
絶対に生かしといたらあかん、始末するんや」

「私がクロフォードを仕留めるわ、医者としてのケジメを付けます」
 シャマルの顔はいつもの優しい顔ではなかった、仕事人として怒りを纏った厳しい顔になっていた。
「あたしがトーマスを殺ってやるよ」
 ヴィータがそう言った。
「じゃあ私は、事務長だな」
シグナムが答える。
「俺は、医局長を殺ろう」
 ザフィーラが名乗りを上げた。
「私は経理係長をやっつけるです」
 リィンがそう答える。

 その夜、移植コーディネイターのトーマスは、次の獲物を見つけるべく、膨大な遺伝子情報を検索していた。
移植待ち患者の、データに一致した遺伝情報を、健康診断のリストからいくつかピックアップしていた。
 このリストから、ピックアップした者を入院させる為、魔法を仕掛けるのだ。
次の犠牲者の家の近くまで歩いていく、後ろからヴィータが付けていることにも気付かずに……
「ふうん、そうやって魔法を仕掛けるんだ?」
 後ろから声を掛けられただけでなく、これからやろうとしていることを見抜かれていた。
「お嬢ちゃん、どうしてそんなことを知って居るんだい?」
「仕事人だから」
「えっ?」
 その瞬間、脳天にラケーテンハンマーが振り下ろされていた。
 事務長と経理係長は、居酒屋で飲んでいた。
丁度、移植手術料と、謝礼がたんまり入った所だった。
 しこたま飲んで、居酒屋を出た所で、若い女に暗い路地へ引っ張り込まれた。
そしていきなり剣を抜かれた。
 慌てて逃げ出す二人、しかし、経理係長の足が止まる。
止まったのではない、凍ったのだった。
みるみる氷に覆われ、経理係長は完全に凍結した。
 飛んできたリィンが後頭部にドロップキックをお見舞いすると、彼はゆっくりと傾いて、倒れて砕け散った。
 事務長も動けなかった。
首筋に剣を押し当てられていたからだ。
「貴様、これまでに何人を食い物にしてきたんだ?家族がどれだけ泣いているか知っているのか?」
 答えられなかった、そんなことなど気にも留めたことはなかったのだ。
「あの世で詫びろ」
 シグナムはそのまま剣を振り抜いた。
彼は首を刎ねられて、絶命した。

 医局長は、仕事を終え、車に戻ってきた所だった。
エンジンを掛けて、アクセルをふかすとガクンと車が下がった。
タイヤが外れて転がっていく、誰かがタイヤのナットを抜き取っていた様だ。
 車から降りて、状態を確認しようとする。
ドアミラーには、いかつい男が映っていた。
 タイヤの外れた部分を確認する使用と屈んだ瞬間だった。
首をいきなり捕まれた。
そのまま首を握り潰されて、彼は命を失った。

 その頃、病院の屋上では、シャマルが、クロフォードを呼び出していた。
「クロフォード君、あなたが何をしていたかは既に判っています、何故あんな事をしたの?」
「やだなあ、そんなの決まってるじゃあないですか?僕の名声を上げる為ですよ。
凄腕の看板医師がいれば病院は儲かるし、独立したって名前だけで患者は集まる。
僕も良い練習になりましたしね」
「私は、そんなことの為に魔法手術を教えた訳ではありません、あくまで人の命を救う為です」
「やだなあ、医学に貴い犠牲は付き物じゃあないですか?何を言ってるんですか」
「そう、これ以上あなたと話し合っても無駄なようですね」
「何ですか?僕を訴えるんですか?その前にキンブルさんと同じになりますよ」
 そう言った直後だった。
 ビスッ
 彼の喉から首の後ろに掛けて何かが貫通していた。
クラールヴィントのペンデュラムだった。
 クラールヴィントのペンデュラムは、ただの振り子ではない。
彼女の意思で、自在に動くことが出来るのだ。
そして、ペンデュラムで首を撃ち抜いて、脊髄を切断していたのだ。
 もはや彼は動くことも、声を出すことも出来なかった。
「アレが何か判るかしら?」
 そこに並べられていたのは、移植臓器を入れるクーラーボックスだった。
 シャマルは、ペンデュラムを彼から引き抜くと、彼の上にペンデュラムのワイヤーででサークルを作る。
シャマルの魔法「旅の鏡」だ、サークルの中の黒い空間は、相手の体内とリンク出来るのである。
その中に手を突っ込んだ。
 まず、右の腎臓を取り出す、次は左だ。
「どお、痛いでしょ、あの子はこれと同じ痛みを味わったのよ。
ゴメン、脊髄切れてるから、痛みは感じないのよね」
 その次は、肝臓だ。
「あら、まだ息があるのね、じゃあ次で終わらせてあげるわ?
せめて最後くらい、世間様のお役に立って死になさい」
 最後に心臓と肺を取り出して、代わりに水風船を詰めておいた。
 翌日の検視報告書には、脊髄損傷とだけ書かれていた。
 取り出された臓器は、その日の内に、聖王病院と、クラナガン大学付属病院で移植に使われたという。